昨季、自身二度目の「イースタン・リーグ本塁打王」の“タイトル”を獲得した山川穂高。今季は開幕から1軍に名を連ねたが、4月は12試合出場で2本塁打、打率は.111。5月に入ってファーム降格となった。
だが、2軍では12試合で打率.417と好調。しかもヒット15本のうち本塁打が5本、という高確率だ。このまま、2軍の強打者、という「定位置」に収まってしまうのか? プロ4年目の真価が問われている。
2015年のドラフト1位、多和田真三郎。昨季は7勝5敗。岸が抜けた西武投手陣の新たなエースとして期待され、今季は開幕ローテを勝ち取って臨んだ。しかし、ここまで4試合に投げ、0勝2敗。防御率8.50の大乱調だ。
現在は右肩に違和感を覚え、登録抹消。交流戦復帰を目指して調整中だ。
オープン戦3試合で12イニング連続無失点という結果を残した大嶺祐太。先発ローテ入りも期待された今季、ここまでは中継ぎで9試合に投げて1勝0敗。防御率3.12とまずまずの成績だ。
オフには結婚式を挙げ、背番号を11から30に変更、と心機一転で臨む今季。更なる結果を残したい。
鈴木大地の二塁コンバートで空いた遊撃の定位置争いに挑む大嶺翔太。だが、今季はここまで19試合に出場して、打率.151。現在はファーム調整中。願わくば、来月の沖縄凱旋試合までに1軍復帰し、2015年の「大嶺兄弟お立ち台」の再現を期待したい。
今季は切り込み役となる1番での起用が多い伊志嶺翔大。だが、20試合に出場して打率は.155。貧打に悩むロッテ打線と歩を同じくしている。ただ、得点圏打率は.400。チャンスでの強さは頼もしい。
まずは来月、沖縄での試合に臨む西武とロッテ所属の選手たちを振り返ってみた。では、この2球団以外でも、注目の沖縄出身選手たちについて、今季の動向をチェックしてみよう。
巨大戦力・ソフトバンク投手陣のなかで先発ローテの座を勝ち取った東浜巨。ここまで6試合に投げ、3勝1敗。防御率はパ・リーグ5位の2.52というなかなかの安定感だ。昨季は自己最多の9勝。今季こそ、プロ入り初の2ケタ勝利を期待したい。
サイドスローに転向して臨んだ今季、ここまで12試合に投げ、勝ち負けこそついていないが、防御率は0.87。「ポスト森福允彦」として中継ぎエースへの成長を期待されるなか、見事に結果を残した格好だ。今年1月には長男も誕生。新米パパは頑張っている。
プロ3年目、昨季は1軍登板がなかった島袋洋奨。今季はここまでファームで7試合に投げ、防御率6.63。1軍への道はまだまだ険しいか。
そんななか、先頃、スポーツニッポンの特集記事で、球の回転軸が「左投げなのに右投手そのもの」として取り上げられた。1軍で投げずとも話題になる存在なだけに、やはり1軍でその勇姿を見てみたい。
中継ぎエースとして3年連続で60試合登板、という鉄腕ぶりを発揮してきた又吉克樹が、今季は先発転向。7試合に投げ(先発は4試合)、2勝1ホールド。防御率は2.02で、3試合連続完封の菅野智之(巨人)、バルデス(中日)に次ぐセ・リーグ3位。一時はリーグトップの防御率、という好成績を残している。このまま先発・又吉は定着するのか!? 大いに注目だ。
昨季は救援で34試合に登板。防御率2.95と安定したピッチングを披露した宮國椋丞。今季は開幕こそ2軍スタートだったが、そこで完封勝利を含む2戦2勝、防御率0.00という好投を見せ、1軍昇格を果たした。だが、現状は0勝3敗。今年2月1日、キャンプインの日に父が他界。亡き父に誓った復活劇のチャンスはまだあるはずだ。
本稿では10名の沖縄出身選手たちについて取り上げたが、この他にも数多くの選手がプロ野球に在籍している。「沖縄復帰記念日」である今日、彼らの戦いぶりにあらためて注目する日としてみてはどうだろうか。
(成績は5月11日現在)
文=オグマナオト