2014年からの3年間、「ジーモ」の愛称で親しまれたモスコーソが昨シーズンを限りに退団した。2014年には9勝を挙げるなど安定力のある先発として活躍。モスコーソ並みの投球をしてくれる助っ人投手は現れるのか? それもDeNAファンにとって不安だった。
そこにやってきたのがクライン、パットン、ウィーランドだ。
これまでDeNAにはたくさんの外国人投手が入団したが、いずれもそこそこ……。正直、この3人にも過度な期待はかけていなかったのだが、ここまでチーム5勝のうち、なんと4勝をこの助っ人たちで挙げているのだ!
先発で2勝を挙げたクラインは、「制球力がいい」という前評判と裏腹にオープン戦では四球を連発し、制球難が不安視されていた。
しかし、開幕後も四球は多いものの、ゲームをうまくまとめるピッチングでチームを勝利に導いている。4月16日、2勝目を挙げたヤクルト戦では自らのバットで2点タイムリーを叩き出すなど、投打で活躍を見せた。
2メートルを超える長身から投げ下ろすボールは、適度な「荒れ球」として威力を発揮している。ぜひとも10勝近い成績を挙げてほしい。
開幕前にクローザー変更を予測できたDeNAファンがいただろうか?
ゲーム終盤の名物「ヤスアキジャンプ」で知られる山崎康晃がDeNAの絶対的クローザー。しかし、13日の阪神戦では3失点で敗戦投手となり、翌日14日も同点に追いつかれセーブ失敗。今ひとつピリッとしない山崎に代えて、ひとまずラミレス監督が9回のマウンドを託したのはパットンだった。
4月16日、チームの5勝目を飾ったヤクルト戦でパットンはクローザーの任をしっかり果たし、セーブを記録。8試合に投げ、2勝1セーブ4ホールドで防御率は0.00。実力はもちろん、記録や運にも恵まれているようだ。
絶対的守護神に勝る信頼を獲得し、この試合後、正式にラミレス監督は「パットンをクローザーにする」と報道陣に明言した。
現在、ウィーランドには勝敗はついていない。しかし、先発した2試合はいずれも内容がよく、奪三振も多い。攻撃陣とかみ合えば、5勝以上は稼げるだろう。
こうして見ると、すでに山口の穴は既に埋まったように思える。これから、未勝利のローテーション投手たちが勝ち始めれば、昨シーズン以上の勝ち数は見込める。DeNA史上初の「助っ人投手陣の豊作」により、今シーズンもCSが視野に入ってきたか!?
(成績は4月16日現在)
文=元井靖行(もとい・やすゆき)