一般社会で40代といえば、働き盛り真っ只中。しかし、プロ野球界では、もうベテラン中のベテランとなる。週刊野球太郎では連載企画「不惑の生き様を見よ! まだまだ頑張る40代の選手たち!!」をピックアップ。彼らの奮闘を通して同世代の読者の方々にエールを送りたい。今回は「内野手編」だ。
(成績は4月15日現在)
■福浦和也:42歳(ロッテ、1975年12月14日生まれ)
昨季は最下位に終わったが、井口資仁新監督となって、チームの雰囲気がガラッと変わった感のあるロッテ。機動力を駆使し、ハツラツとした野球を展開。多くの解説者がBクラス予想を掲げるなか、開幕8連勝の西武を止め、2勝1敗で勝ち越し、上々のスタートを切った。
そのロッテにおいて、精神的支柱、ファンの心のよりどころとでも言うべき存在が、チーム最年長の42歳、25年目となる福浦和也だ。
昨季までに積み重ねた安打は1962。残り38安打で2000安打の大台に到達する福浦は、開幕戦から「7番・DH」でスタメン出場。2打席目に早くも今季初安打を放ち、元気な姿を見せた。
その後も、スタメン、あるいは途中出場でコンスタントに出番が与えられており、4月15日の時点で8安打。打率は.229と、もう少し精度を上げたいところだが、このペースならシーズン半ばには大台に到達しそうだ。
福浦は本拠地のZOZOマリンスタジアムがある千葉市のお隣りの習志野市出身という、超地元選手。まだまだ頑張ってもらいたいと願うファンが多い。期待に応えて、2000安打を達成したい。
■新井貴浩:41歳(広島、1977年1月30日生まれ)
広島→阪神→広島というキャリアのなかで、2016年には2000安打を達成しているチーム最年長の新井貴浩。昨季はスタメンと代打出場が半々というペースでコンディションを維持しつつ100試合に出場。打率.292、48打点と勝負強さを発揮した。
しかし今季は、開幕を目前に控えた3月21日の練習中に左ふくらはぎを負傷(球団発表は「左腓腹筋挫傷」)。深刻な状態ではないものの、復帰は早くてもゴールデンウイークあたりとなりそうだ。ベテランの故障は、致命傷になりかねないので、じっくり治して、また新井らしい熱いプレーを見せてほしい。
昨季までに積み上げた2178安打は、歴代20位。今季、50安打を上乗せできれば、大杉勝男(元ヤクルトほか)と並んで18位タイとなる。
■荒木雅博:40歳(中日、1977年9月13日生まれ)
昨年6月3日に22年目にして2000安打に到達した荒木雅博。
今季は、オープン戦から6試合に出場し、8打数4安打と好調だった。若手の台頭などもあって開幕は2軍スタートとなったが、心身ともに戦える状態にあるはず。おそらく近いうちに1軍登録されるに違いない。
チーム最年長は投手の岩瀬仁紀だが、野手では40歳の荒木がいちばん年上。今季からコーチ兼任となり、名実ともに若手の成長を促す役目も担う。近年、低迷するチームの浮上にはまだまだ荒木の力が必要だ。
(※編集部注 ベンチ入りできるコーチ枠の関係でNPB登録上はコーチ登録が解除されたが、球団内ではコーチ兼任扱いのまま)
文=藤山剣(ふじやま・けん)