連続打席無本塁打の日本記録は、赤星憲広(元阪神)の持つ2528打席。
その記録に迫りつつあり、初打席からの連続打席無本塁打記録を更新中なのが、ロッテの岡田幸文だ。
岡田は2008年育成ドラフトでプロ入り。今年で8年目を迎える。2014年には、2010年の1軍初打席以来、1773打席連続試合無本塁打の記録を打ち立てると、5月21日現在、2222打席まで更新している。
このままコンスタントに出場を続ければ、来季にも赤星の持つ記録を破るかもしれない。
記録更新か? はたまた奇跡の本塁打か? ファンとしては両方とも見てみたい複雑な心境だろう。
セ・リーグでは、同じく2006年の育成ドラフトで入団した松本哲也(巨人)が、2008年の1軍初打席から1379打席連続で無本塁打記録を継続している。
松本も岡田同様、8年間も本塁打に見放されている。しかし2010年には、二塁打13本、三塁打2本で、長打率も.341を記録するなど、単打だけの選手とはいえない。そろそろ松本の一発が飛び出すかもしれない。
昨シーズンの盗塁王、日本ハムの中島卓也もデビュー以来、連続打席無本塁打を継続している。
アマチュア時代を含めて、生涯で一度も柵越え本塁打を打ったことがないという中島。まだ、25歳と若くこのまま順調に出場し続ければ、記録更新もあるかもしれない。
デビューからの無本塁打もさることながら、かつての大砲も、久しく本塁打から遠ざかっている。
通算153本もの本塁打を放ち、広島時代には日本を代表するスラッガーに登り詰めた栗原健太(楽天)は、2011年以来本塁打に見放されている。
ケガと不振で、ここ2年は1軍出場もなかっただけに当たり前なのだが、全盛期の彼を知る者からすれば、4年以上も本塁打から遠ざかっている事実は信じがたい。
広島から楽天に移籍した今季も、ケガの影響で、未だに1軍試合出場は果たせておらず、このままでは、選手生命すら危ぶまれる状況だ。現状を打破するためにも、復活の一発を何としても見せて欲しい。
このように、新人からの無本塁打からかつての大砲まで、様々な選手が野球の華・本塁打から見放されている。
今回紹介した選手のうち、誰かが本塁打を放った時の盛り上がりは、容易に想像がつく。城所の9年ぶりの本塁打が出た今季は「もう1人くらい奇跡の一発があっても……」と、ついつい期待してしまう。
文=井上智博(いのうえ・ともひろ)