2017年、巨人で不遇を受け、若返りを図るチーム方針のなか「本人のため」と戦力外に。手を挙げるNPB球団がなく、今年3月にBCリーグ・栃木ゴールデンブレーブス(以下、栃木)に入団した村田修一。登録期限の7月末までにNPB復帰を目指す村田修一の再起と挑戦を追っていきたい。
4月7日に開幕したBCリーグ。当然ながら村田は「4番・三塁」でスタメンに名を連ねた。
群馬ダイヤモンドペガサスとの開幕2連戦では無安打、2併殺打、2失策と調子が上がらなかった。しかし、初戦はビジターの上毛新聞敷島球場に2428人、2戦目はホームの小山運動公園野球場に栃木史上最多の4162人もの観客を集めた。これはBCリーグでは異例の観客動員数といえる。
37歳の村田がNPB復帰を果たすには圧倒的な成績を残すことが求められる。開幕2連戦で状態を判断するのは難しいが、第一の山場になるのが5月11日から5月13日にかけて開催予定の巨人3軍との交流戦だ。
契約が決まらず始動が遅れたが、因縁の巨人を迎える頃には感覚も戻っているはずだ。
栃木には多くのNPB経験者が在籍する。プレーヤーでは飯原誉士(コーチ兼任)。昨年、34歳の年齢を理由にヤクルトから戦力外を受け、栃木に入団した。八木健史(コーチ兼任)、中村恵吾、坂田将人、金子将太は元ソフトバンクの育成選手。元ヤクルト、巨人の金伏ウーゴも栃木で復活を目指している。
指導者陣も辻武史監督、宮地克彦ヘッドコーチ、金無英投手コーチと元ソフトバンク勢が多いチームだ。村田のソフトバンク入りを想像してみたくなるメンバーだ。
村田の去就が騒がれたシーズンオフから春に向かってNPBの各球団が態勢を整えてきた。あらためて現段階で村田が必要な球団をまとめてみたい。
獲得を熱望するファンが多かったのは昨季、最下位に沈んだヤクルト。昨季は畠山和洋と川端慎吾がケガで大穴を開けただけあって、熱望度はかなり高かった。
しかし、青木宣親の復帰もあり、外野手が一塁に回る状況に。雄平が開幕前に下半身を痛め、畠山もさっそく離脱しているが、西浦直亨、荒木貴裕らの中堅勢がバットで存在感を示しており、内野陣は思いのほか整った。そして2軍では高卒ドラ1ルーキーの村上宗隆が鬼神のごとく打ちまくっており、村田のヤクルト入りの可能性は薄れてきた。
次に有力視されていたのはこちらも昨季、最下位に終わったロッテ。ただ、今季の「4番・一塁」には井上晴哉が座り、殻を破った感もある。だが、新外国人のドミンゲスがいまだ2軍調整中で、指名打者には42歳の福浦和也が起用されている。福浦の2000本安打はロッテファンの悲願だが、純粋な戦力面で考えるといまだに村田熱望度は高い状況だ。
意外なところでは阪神。一塁には新外国人のロサリオ、三塁には大山悠輔がいるが、やや低調な出足で代打陣も手薄だ。中日も昨季後半に気迫を見せた福田永将が不調気味。もしものときの三塁手が不足している。
村田の動向とNPB各球団の一塁、三塁、指名打者事情を両睨みで追っていきたい。
文=落合初春(おちあい・もとはる)