4月3日の日本ハム戦での守備時に、二塁ベース上でのプレーにより「右下腿打撲、前距腓靱帯および踵腓靭帯損傷」という大きなケガを負った川島慶三。
今季は、コリジョンルール元年でもあっただけに、球界関係者のみならずファンの間でも、この接触プレーが大きな議論となったことは記憶に新しい。その川島が7月5日の2軍戦で復帰し、15試合の実戦経験を積んでから7月28日に1軍登録された。
どこでも守れる上に、代打や代走としても期待できる貴重なユーティリティープレイヤー・川島。8月7日には復帰後初安打も記録している。
その川島と同じ7月29日に1軍に復帰したのが明石健志だ。
開幕ゲームは「5番・セカンド」で起用されながらも、右肩痛で3月28日に登録抹消。そこから一進一退の状態が続いていたが、地道なリハビリと2軍戦を経て戦列に復帰。7月29日の日本ハム戦では「1番・セカンド」で先発出場し、5打数2安打2得点と躍動した。
明石も川島同様のユーティリティープレイヤーで、なおかつ大きな武器となる俊足も併せ持つ。ソフトバンクの攻撃面の厚みがぐんと増したことは疑いようがない。
投手陣では、攝津正の復帰が大きい。
開幕から3試合で16失点(0勝2敗)とまさかの炎上。2軍での調整が続いていたが、8月3日に1軍登録され即先発した西武戦では6回3失点で今季初勝利を記録。続く8月10日のオリックス戦でも、チームは敗れてしまったが、6回2失点とまずまずの投球を見せた。
5年連続開幕投手を務め、ローテーションの柱として期待されていた攝津だけに、ここからの巻き返しに期待がかかる。
日本ハムの猛追でかすみつつあるソフトバンクだが、7月は11勝11敗、8月も10日までで4勝4敗と、5割ペースで日程を消化できている。
ほかに大隣憲司やバンデンハークといった実力者も控えており、よほどのことがなければV3の可能性は高そうだが、果たして!?
文=藤山剣(ふじやま・けん)