2010年にドラフト5位で入団した坂田将人は、相次ぐ故障の影響もあり、2013年に育成契約となった。2015年には2軍で好投を見せ、支配下に戻ったが、またもや左肩の故障で2016年は公式戦登板なし。手術を経て今季はリハビリに終始した。これだけのケガがありながら、プロに居続けられるのは「夢」がある証拠だ。
2015年に2軍では9試合で3勝2敗、投球回47、41奪三振、防御率2.11の数字を残している。安定感のあるフォームは故障がちだとは思えないほど美しかった。「ポスト・和田毅」になれる可能性を秘めるが、球団、本人ともにどこまで我慢できるか。
支配下昇格待ったなしは、高卒2年目の野澤佑斗。最速146キロのサイドハンド右腕で、最大の武器はツーシーム。沈み込むような独特のフォームと動くボールで打者を手玉に取る。今季は2軍戦の38試合に登板し、防御率1.08の好成績を挙げている。この調子でいけば1軍デビューの日も近いだろう。
2012年のドラフト2位で東北学院大から入団。2014年の秋季キャンプでは、就任したばかりの工藤公康監督から一押しの指名があったが、2015年の春季キャンプで故障離脱すると、そのまま1軍での出番はなく、オフに育成降格になった。
左腕にしては珍しく体が縦回転に見え、右の本格派のような重いストレートがミットに突き刺さる。2軍での実績もある。今季は23試合に登板し、45回1/3で39三振を奪った一方で、26四死球とやや荒さも同居する。年齢的にもくすぶってはいられない。この秋、来春に大きく成長を遂げ、支配下に返り咲きたい。
(成績は9月17日時点)
文=落合初春(おちあい・もとはる)