オリックスのファームで注目すべき野手は宗佑磨だ。83試合に出場してウエスタン・リーグ4位の打率.271、1本塁打、26打点、8盗塁の成績を残している。
宗は2014年のドラフト2位で横浜隼人高から入団。今季3年目の内野手。背番号6を与えられたことから、その期待の高さがうかがえる。1、2年目はケガなどでファームでの出場が少なかったものの、昨季終盤に1軍に登録され初出場を果たした。
今季はウエスタン・リーグ開幕から調子がよく、リーグ3位の打率.322で3・4月度のファームMVPを獲得。そして7月には、フレッシュオールスターに出場した。
宗の魅力は、なんといってもその身体能力だろう。高校時代に50メートル走5秒8、立ち幅跳び2.7メートルを記録したバネの持ち主。ファームでは主に遊撃手として出場。将来的には、ポスト安達としての活躍が期待される。
投手陣で1番の成長を見せているのが吉田凌だろう。今季はファームで12試合に先発登板し、61回2/3を投げて4勝4敗、防御率2.19、自責点15。規定投球回数には達していないのでランキングには入っていないが、達していれば防御率2.19はリーグ2位に相当する。
吉田は東海大相模高から2015年のドラフト5位でオリックスに入団。同校では、左腕の小笠原慎之介(中日)とともに左右のダブルエースとし活躍し、夏の甲子園優勝に貢献した。なお、決勝戦で対戦した仙台育英のエース・佐藤世那もドラフト6位でオリックスに入団。2人はチームメイトとなった。
オリックスの高卒投手で、今季活躍しているのは西勇輝くらいで、山田修義、塚原頌平はもう一つ結果を残せていない。そのなかで吉田への期待値は高まっている。昨季はウエスタン・リーグで12試合に登板し2勝2敗、防御率5.79だった。今季は失点が少なくなり、奪三振が増えた。1軍のマウンドに立つ日も近いかもしれない。
6月3日に紀三井寺球場で行われたウエスタン・リーグ、オリックス対広島。吉田凌が先発投手を務め、宗は3番・二塁で起用された。初回、オリックスは1死一塁から宗のタイムリー二塁打で先制点を奪う。宗は5回にはソロホームランを放ち、2打点の活躍を見せた。先発の吉田凌は7回を投げて被安打3、無失点と好投し、勝利投手に。この日は、宗、吉田凌というトッププロスペクトの活躍で勝利した。
近い将来、この2人が1軍の舞台で活躍することを期待する。
(成績は8月16日現在)
文=矢上豊(やがみ・ゆたか)
関西在住の山本昌世代。初めてのプロ野球観戦は、今はなき大阪球場での南海対阪急戦と、生粋の関西パ・リーグ党。以来、阪急、オリックス一筋の熱狂的ファン。プロ野球のみならず、関西の大学、社会人などのアマチュア野球も年間を通じて観戦中。