各球団で2番打者としてスタメン出場した試合が多い2人を並べてみよう。
(成績は2番スタメン出場時のもの)
■広島東洋カープ
菊池涼介
140試合:打率.315(572打数180安打)/13本塁打/56打点/23犠打/OPS.790
田中広輔
1試合:打率.000(3打数0安打)/0本塁打/0打点/0犠打/OPS.250
■読売ジャイアンツ
橋本到
35試合:打率.206(126打数26安打)/2本塁打/10打点/17犠打/OPS.580
立岡宗一郎
27試合:打率.269(108打数29安打)/2本塁打/8打点/4犠打/OPS.721
■横浜DeNAベイスターズ
石川雄洋
55試合:打率.205(215打数44安打)/2本塁打/13打点/10犠打/OPS.529
エリアン
31試合:打率.219(128打数28安打)/3本/18打点/1犠打/OPS.622
■阪神タイガース
大和
36試合:打率.269(130打数35安打)/1本塁打/15打点/10犠打/OPS.691
鳥谷敬
22試合:打率.202(84打数17安打)/2本/4打点/1犠打/OPS.602
■東京ヤクルトスワローズ
川端慎吾
58試合:打率.304(240打数73安打)/0本塁打/18打点/0犠打/OPS.725
坂口智隆
52試合:打率.278(205打数57安打)/0本塁打/17打点/4犠打/OPS.694
■中日ドラゴンズ
荒木雅博
64試合:打率.257(241打数62安打)1本塁打/15打点/11犠打/OPS.609
エルナンデス
18試合:打率.219(73打数16安打)/1本塁打/10打点/2犠打/OPS.573
■北海道日本ハムファイターズ
中島卓也
50試合:打率.241(170打数41安打)/0本塁打/14打点/41犠打/OPS.618
西川遥輝
31試合:打率.250(104打数26安打)3本塁打/16打点/14犠打/OPS.762
■福岡ソフトバンクホークス
今宮健太
56試合:打率.200(210打数42安打)/4本塁打/24打点/21犠打/OPS.531
本多雄一
42試合:打率.301(163打数49安打)/1本塁打/18打点/15犠打/OPS.689
■千葉ロッテマリーンズ
高濱卓也
29試合:打率.200(100打数20安打)/2本塁打/5打点/6犠打/OPS.555
加藤翔平
26試合:打率.220(91打数20安打)/0本塁打/2打点/9犠打/OPS.535
■埼玉西武ライオンズ
秋山翔吾
51試合:打率.296(206打数61安打)/6本塁打/23打点/0犠打/OPS.811
栗山巧
44試合:打率.278(162打数45安打)/1本塁打/17打点/0犠打/OPS.760
■楽天ゴールデンイーグルス
藤田一也
52試合:打率.251(199打数50安打)/0本塁打/23打点/9犠打/OPS.595
聖澤諒
25試合:打率.344(96打数33安打)/2本塁打/10打点/9犠打/OPS.837
■オリックス・バファローズ
安達了一
77試合:打率.309(275打数85安打)/1本塁打/27打点/33犠打/OPS.740
西野真弘
39試合:打率.280(161打数45安打)/0本塁打/12打点/5犠打/OPS.636
チマチマと2番が入れ替わっているチームがほとんどだが、ほぼフルシーズン2番の座をキープし続けたのは菊池涼介(広島)だ。最多安打を放った打撃力ももちろんだが、セ・リーグ最多の23犠打も記録。最多安打&最多犠打のW受賞は史上初。日本球史に残る「マルチ型2番」だった。
全球団を通してみると、「攻撃的2番」を戦術として採用したのはヤクルトと西武。特に西武は秋山と栗山どちらもバントなし。夏ごろに田邊徳雄前監督が「バントはいらない」と宣言して話題となったが、これは実は下位打線の話。2番に関してはシーズンを通して攻撃型采配を貫いていた。
ヤクルトもケガ人続出に泣いたが、本来は川端慎吾を2番に固定したいところ。川端もバントゼロ。来季こそは川端もケガなし、チームもケガ人なしで「2番・川端」をキープしたい。
意外にも2番打者としては広島・菊池を超える打率、OPSを記録したのは聖澤諒(楽天)だ。今季はシーズンを通しても打率.294を記録し、好調だったが、若手重用で冷や飯を食わされた印象すらある。
聖澤はトップバッターのイメージが強いが、ここに来て数字が2番への適性を示している。バントもそつなくこなし、走塁技術もある。攻撃型でもマルチ型でも安定した力を発揮するはず。来季はぜひ「2番・聖澤」を多くの試合で見てみたい。
文=落合初春(おちあい・もとはる)