週刊野球太郎
中学、高校、プロ・・・すべての野球ファンのための情報サイト

バレンティンだけじゃない!? 選手たちに突如舞い降りた「鳥事件」列伝


 鳥(燕)がモチーフのチームなのに、鳥に攻められるなんて……。

 5月8日、ヤクルトのバレンティンが鳥からの“空襲”被害にあった。甲子園球場で行われた阪神対ヤクルト戦の6回裏、阪神の攻撃中、レフトを守っていたバレンティンのそばに、突如、空から魚の死骸が落ちてきたのだ。この珍事に試合は一時中断した。落下地点から見てスタンドから投げ入れられた可能性はなく、鳥が落としたものとみられている。

 試合後、バレンティンは「においがすごかった」とコメント。そのトラウマか、この日のバレンティンは3打数ノーヒットに終わった。余談だが、バレンティンといえば、フライドチキンが大好きなことで有名。ひょっとして今回の空襲、鳥たちによる報復攻撃だったのだろうか?

逮捕者まで出た「カモメ事件」


 もっとも、鳥をめぐるトラブルでは、過去にもっとすごい「事件」があった。1983年8月4日、カナダのエキシビション・スタジアムで起きた「カモメ事件」である。

 トロント・ブルージェイズ対ニューヨーク・ヤンキースの試合が行われていたこの日、ヤンキースのデーヴ・ウインフィールドを悲劇がおそった。イニング間にキャッチボールをしていたところ、投げたボールがカモメに直撃。カモメが死亡してしまった上に、ウインフィールドは「動物虐待」の理由で逮捕され、罰金500カナダドルを命じられたのだ。

 翌日、カモメを殺したのは意図的ではなかったことが認められて無罪になったが、キャッチボールをしていてこんな散々な目にあうとは予想もしていなかっただろう。


ランディ・ジョンソンと鳩


 野球界での鳥を巡るトラブルは他にも多い。

 2001年春、MLBのプレシーズンゲームでは、メジャー通算303勝左腕、ランディ・ジョンソン(当時アリゾナ・ダイヤモンドバックス)の投げた球が低空飛行をしてきた鳩に直撃した。

 ランディ・ジョンソンといえば、208センチの長身から投げ下ろす最速102マイル(約164キロ)の豪速球が武器だった男。鳩は当然、即死だった。尚、投球自体はノーカウントになったが、鳩を死なせてしまったショックからか、その日のジョンソンは相手打線に打ち込まれてしまった。

センターから“かもめが翔んだ日”


 鳥のおかげ(せい?)で勝敗が決まった試合もある。

 2009年6月9日、プログレッシブ・フィールドで行われたクリーブランド・インディアンズ対カンザスシティ・ロイヤルズの試合は延長戦に突入。延長10回裏、無死一・二塁の場面で、インディアンズの秋信守が放った打球はセンターへ。鋭い打球だったため、そのまま捕ってバックホームすれば、本塁でクロスプレーになるはずだった。

 ところが、試合中にもかかわらず、このときセンター前には100羽近くのカモメが羽を休めていた。このカモメの大群がアクシデントを呼んだ。飛んできた打球に驚いたカモメが一斉に飛び立ったため、センターがボールを見失ってしまったのだ。

 この間にランナーは生還。インディアンズにとっては幸運のカモメといえるが、ロイヤルズにとっては不幸のカモメになってしまった。

 日本球界では鳥がモチーフのマスコットも多い。だが、真の意味で鳥を味方につけることができているのか? 味方につけずとも、せめて怒らせないようにしたいところだ。

 ちなみに、5月10日から16日までは2016年度の愛鳥週間になっている。

文=オグマナオト(おぐま・なおと)

記事タグ
この記事が気に入ったら
お願いします
本誌情報
雑誌最新刊 野球太郎No.32 2019ドラフト直前大特集号 好評発売中
おすすめ特集
2019ドラフト指名選手一覧
2019ドラフト特集
野球太郎ストーリーズ
野球の楽しみ方が変わる!雑誌「野球太郎」の情報サイト
週刊野球太郎会員の方はコチラ
ドコモ・ソフトバンク
ご利用の方
KDDI・auスマートパス
ご利用の方