【2018年夏の甲子園 三重みどころ】菰野の田中、岡林にセンバツ好投の定本 津田学園の宮野、上下が強打で圧倒する
投手編〜菰野の田中、岡林が二重丸
三重県のみならず東海3県の高校生で唯一、田中法彦(菰野)は今秋のドラフト指名が当確といえる存在。
フィジカルの強さがあり、剛球を叩きつける。
5月最後の練習試合にもプロ3球団のスカウトが視察に訪れ、中日のスピードガンで150キロを計測するなど力を示している。
課題は時折、球が真ん中や高めに入るシーンがあるぐらい。
ここ一番の試合で投げ勝ち、甲子園に見参といきたい。
一方、田中の後輩である2年生・岡林勇希(菰野)も、順調に推移すれば来年のドラフト指名が見込める逸材。
投球フォームは前田健太(ドジャース)に似た体の使い方ができ、どの球種もキレがあって奪三振を量産できる。
■三重・定本がセンバツで好投
最速145キロの硬質なストレートが武器の定本拓真(三重)は、今ひとつ調子が上がらないまま臨んだ今春のセンバツで、変化球をうまく配して日大三や大阪桐蔭を相手に好投。
制球を意識した投球は意外な一面だった。
もともと体の馬力は超高校級で、球速も戻るはずだ。
肉体的なキャパでは左腕の大須賀健祐(海星)も魅力的で、十分な馬力を秘めつつも、腕の振りに柔らかさがある。
腰の不安がなくなり、伸びのあるストレートやスライダーに見応えあり。
また、前川怜(鈴鹿)も上背があり、下級生のころから140キロ台前半をマークしている原石だ。
この他、山本大雅(三重)は素質が高く、140キロ級のストレートを投げる。
指先感覚もあり、スライダーが決め球になる。
横辻海(紀南)はパワーがあり、昨夏139キロをマークしている。
県最南端校の注目株だ。
左腕では岡祐斗(鈴鹿)が上背こそないが投球に勢いがあり、130キロ台後半も出るキレのよい球が走る。
2年生では川瀬翔理(海星)が昨秋の1年生大会の優勝投手。
スライダーが素晴らしく、ストレートにもスピード感がある。
前佑囲斗(津田学園)はヒジの使い方がよく、身長もあり伸びそうだ。
野手編〜津田学園の中軸に強打者並ぶ
津田学園の2人の強打者が高卒プロ入りも視野に打ちまくる。
宮野勇世は履正社(大阪)から1年秋に編入した。
規定によりこの春から公式戦に登場し、地区予選も含め5本塁打を放った。
打撃に穴がなく、左翼席へ角度のある打球を放り込む。
上下大地はパワフルな体躯でスケール満点。
打球スピードも恐ろしいほど速い。
昨夏甲子園では8打席で5三振と粗さは出たが、それを補って余りある魅力をもつ。
名前もよい。
梶田蓮(三重)はシャープに打ち分け、俊足を生かして三塁打にするタイプ。
今春センバツではサク越えも放った。
捕手の佐藤大和(いなべ総合学園)はイニング間の二塁送球を座ったまま投げるほどの強肩で、ゲームメークの能力も高い。
外野手の岡田隆之介(津西)は広角に打て、投手も務めるなど身体能力もある。
2年生では井田翔斗(津商)がセンス抜群の遊撃手だ。
球際を含むバウンド処理など守備の動きがスムーズ。
打撃もバットが内からシャープに出る。
外野手では津田学園の石川史門、大音壱汰がともにスピードがある。
大会展望〜センバツ4強の三重に菰野など迫る
センバツでベスト4入りした三重と、投手力のある菰野、能力の高い打者が多い津田学園が中心になりそう。
菰野の田中、岡林のボールは素晴らしいが、それでもここまで全国舞台と無縁なのだから、高校野球の厳しさを感じる。
服部恭平、服部哲平の双子バッテリーが軸の津商は、今年も春から夏にかけて上昇ムードが著しい。
本文でも触れた好投手擁する鈴鹿は、豊田清(巨人コーチ)の出身校である。
2004年の夏など甲子園に2度の出場経験がある私立校だ。
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