■2008年
卒業(甲子園出場校):1校
決勝敗退:7校
準決勝敗退:4校
準々決勝敗退:9校
合計:21校
■2009年
卒業(甲子園出場校):9校
決勝敗退:2校
準決勝敗退:4校
準々決勝敗退:6校
合計:21
■2010年
卒業(甲子園出場校):3校
決勝敗退:3校
準決勝敗退:4校
準々決勝敗退:12校
合計:22校
■2011年
卒業(甲子園出場校):4校
決勝敗退:3校
準決勝敗退:5校
準々決勝敗退:8校
合計:20校
■2012年
卒業(甲子園出場校):4校
決勝敗退:3校
準決勝敗退:7校
準々決勝敗退:6校
合計:20校
■2013年
卒業(甲子園出場校):4校
決勝敗退:4校
準決勝敗退:4校
準々決勝敗退:9校
合計:21校
■2014年
卒業(甲子園出場校):3校
決勝敗退:2校
準決勝敗退:4校
準々決勝敗退:13校
合計:22校
■2015年
卒業(甲子園出場校):2校
決勝敗退:4校
準決勝敗退:1校
準々決勝敗退:10校
合計:17校
■2016年
卒業(甲子園出場校):2校
決勝敗退:2校
準決勝敗退:5校
準々決勝敗退:8校
合計:17校
(*「卒業」はセンバツ出場も含む)
まず、結果を見ていただければわかるように、これまで「卒業校」、すなわち甲子園初出場を決めた高校がゼロという年がなかった点に、手前味噌ながら驚いていると同時に、「甲子園未出場だが実力は十分」という悲願校の特質がよくわかっていただけるのではないかと思う。
この企画を始めた初期の卒業校には東海大市原望洋(千葉)、滋賀学園(滋賀)、前橋育英(群馬)、いなべ総合学園(三重)と、今や甲子園常連校といってもよいチームや、前橋育英のように全国制覇を達成したチームもあった。悲願校は、まさに次代の甲子園常連校候補でもあるのだ。
というわけで、逆に10年連続で悲願校に選出されている高校が何校あるかを調べてみた。北から大湊(青森)、矢板中央(栃木)、横浜創学館(神奈川)、鯖江(福井)、岐阜総合学園(岐阜)、大商大堺(大阪)、近大新宮(和歌山)、生光学園(徳島)、岡豊(高知)、沖学園(福岡)、大分雄城台(大分)、宮崎学園(宮崎)の12校がこれに該当する。
正直、悲願校というよりも地区内の中堅校的なイメージの高校があるのも事実だが、大湊、横浜創学館、大商大堺、生光学園あたりは、本当にいつ甲子園に来てもおかしくないレベルの悲願校である。
一方、振り返ってみて気になったのが、この1、2年、若干ではあるが卒業校が減少傾向にあることだ。また、それに呼応するように甲子園出場および準々決勝以上まで勝ち上がっている高校も、企画開始当初、20校台をキープしていたのが、2015年からは10校台に落ちている。
毎年のような複数の卒業校が出ている結果、10年経って「甲子園未出場の実力校」の総数は減っているとは思うので、ある意味、当然といえば当然なのだが……。
ただ、ここ最近、現場からは各地区で「中堅校が少なくなり、強い高校と弱い高校の二極化が進んでいる」といった声も聞く。そんな点ももしかしたら影響しているかもしれない。
甲子園で常連校、伝統校の戦いぶりを見るのも楽しいが、そこにフレッシュな高校が絡んでくると観戦の楽しみは倍になる。悲願校はそんなファンの期待も背負っているチームともいえるのだ。
文=田澤健一郎(たざわ・けんいちろう)