そもそも昨年の覇者なのに、どうして開幕戦がビジターなのか、という疑問を感じた読者もいるだろう。パ・リーグの開幕カードは、2年前の順位から1位vs.4位、2位vs.5位、3位vs.6位が、それぞれAクラス球団の本拠地で対戦することになっている。
2014年の優勝は楽天、そして4位がソフトバンク。そのため昨年最下位だった楽天の本拠地で、ソフトバンクがビジターとして戦うことになったのだ。
ちなみにソフトバンクがビジターで開幕を迎えるのは2011年以来の事。この年は東日本大震災の影響から、3月25日に予定されていた開幕戦を4月12日に延期。このときのソフトバンクは、京セラドーム大阪でオリックスと対戦した。
開幕戦は2点を先制したものの、終盤追いつかれて延長12回で2対2の引き分け。第2戦は0対5で敗れ、第3戦でようやく初勝利を挙げた。
「ん……似ているぞ?」と思った方もいるでしょう。
今年のソフトバンクの開幕戦は3対7で敗れ、2戦目はリードを守れず延長12回で引き分け。そして第3戦でようやく初勝利。順番こそ違うものの、開幕シリーズは1勝1敗1引き分け。今季のスタートは、2011年と似ているのだ。
ちなみにスタートダッシュに躓いてしまった2011年は、その後は順調に白星を積み重ね、88勝46敗で2位に17.5ゲーム差をつけて優勝。
交流戦も制覇し、クライマックスシリーズでは西武を、日本シリーズでは中日を下して日本一。11球団全てから勝ち越す、圧倒的強さを見せたシーズンだった。開幕からエースが打たれ、打線も湿りがちで不安を感じたソフトバンクファンには朗報であろう。
さらにもう一つ嬉しいデータを。過去10年、ソフトバンクが開幕戦をビジターで迎えたのは2回。その2010年と2011年は、いずれもパ・リーグ優勝を達成したことを付け加えておく。
文=溝手孝司(みぞて・たかし)
札幌在住。ライター、イベント関連など、スポーツ関連の仕事を精力的にこなしている。北海道生まれのホークスファン歴約40年だが、今年一番注目している選手は北海道日本ハムの井口和朋投手。ソフトバンク戦で登板した時はどちらを応援しようか、迷っている………。