佐々木朗希(大船渡高)が大きな注目を浴びる今年の高校野球界。大谷翔平(エンゼルス)以来となる160キロ台を記録した投手が現れただけに無理もないが、最後の夏、佐々木は甲子園に出場することができるのか。春季大会から佐々木の動向が話題の中心として続きそうだ。
一方、佐々木に負けじと全国のライバルたちも爪を研いでいる。次の日本球界のエースと目されるルーキーも公式戦初出場を飾った。話題に尽きない春の「高校野球最前線」。今回はそのウワサの選手からスタート。
高知中時代に軟式球ながら球速150キロを計測し、テレビでも取り上げられるなど将来を嘱望されている高知高の1年生右腕・森木大智。入学後の動向が気になっていたが、4月12日の練習試合で高校デビューを果たした。
八幡浜高(愛媛)を相手に3回を無失点に抑え、気になる球速は最高144キロ。上々の船出といって言いだろう。今後は春季四国大会のベンチメンバーに入るとも伝えられている。夏の甲子園までの道のりが楽しみだ。
サッカー界では本田圭佑(メルボルン・ビクトリー)が、選手としてだけでなくカンボジア代表の監督としても腕をふるっている。もちろん選手兼任ではないが、高校野球界にも本田と同じように海外の代表チーム監督との二足のわらじを履く指導者がいる。おかやま山陽高の堤尚彦監督だ。
どの国の代表チームかというとアフリカのジンバブエ。海外青年協力隊として現地に訪れてから支援をするようになり、おかやま山陽の監督になってからも継続。現地に赴くだけでなく、選手を日本に招いて技術指導をするなど、その情熱はとどまるところを知らない。
ジンバブエ代表は4月下旬から東京五輪出場をかけたアフリカの予選に挑み、堤監督は現地で指揮を執る予定。来年夏、野球の会場となる横浜スタジアムで堤監督率いるジンバブエの選手のプレーを見られるかもしれない!?
ここ数年はとくに酷暑による選手や観戦者の体調が危惧される高校野球の夏季大会。体のコンディションを考えるなら真夏の炎天下でやらなければいいのだが……、それでは身も蓋もない
そんななか、酷暑での戦いに耐える人たちの負担を少しでも減らせるようにと、阪神甲子園球場はオフシーズンを使って球場内を改装。エアコンや扇風機を増設したり、遮熱シートを貼ったりと、まさに大工事だったようだ。
また、各地区では暑さ対策として試合の開始時間を変える、大会を前倒ししてはじめるなどの対応策も取っている。今夏も場合によってはナイターや薄暮決勝戦なども踏まえて、少しでもいい環境で試合が開催できるように、という努力が続けられる。
今回もバラエティ豊かな高校野球情報をお届けしたが、各地区の春季大会はどんどん進んでいる。今後は地区大会の動向や展望も紹介していきたい。
令和元年の甲子園覇者はどのチームになるのか。最新情報を追いながら想像を膨らませよう。
(※写真は高知中時代の高知高・森木大智)
文=森田真悟(もりた・しんご)