「外れ1位競合選手」の選手の指名状況と成績は以下の通りだ。
(★=現役選手、「外れ外れ1位競合選手」は除く)
【1966年第1次】
水谷孝(投手/三重高)
○阪急、×東京
通算成績:199試合/53勝27敗/1セーブ/防御率3.17
1978年引退
【1995年】
原俊介(捕手/東海大相模高)
○巨人、×中日
通算成績:68試合/打率.224/3本塁打/10打点
2006年引退
【1995年】
澤井良輔(内野手/銚子商)
○ロッテ、×ヤクルト
通算成績:90試合/打率.225/6本塁打/19打点
2005年引退
【2007年高校生ドラフト】
★高濱卓也(内野手/横浜高/現ロッテ)
○阪神、×横浜
通算成績:149試合/打率.225/3本塁打/24打点
【2007年高校生ドラフト】
★岩嵜翔(投手/市船橋高)
○ソフトバンク、×中日
通算成績:158試合/21勝23敗/3セーブ/31ホールド/防御率3.53
【2007年大学生・社会人ドラフト】
篠田純平(投手/日本大)
○広島、×オリックス、×巨人
通算成績:99試合/20勝26敗/5ホールド/防御率4.24
2015年引退
【2007年大学生・社会人ドラフト】
服部泰卓(投手/トヨタ自動車)
○ロッテ、×西武、×日本ハム
通算成績:73試合/2勝1敗/22ホールド/防御率5.81
2015年引退
【2008年】
藤原紘通(投手/NTT西日本)
○楽天、×阪神
通算成績:22試合/6勝8敗/1ホールド/防御率5.22
2013年引退
【2010年】
★伊志嶺翔大(外野手/東海大)
○ロッテ、×オリックス
通算成績:378試合/打率.248/6本塁打/53打点
【2010年】
★塩見貴洋(投手/八戸大)
○楽天、×ヤクルト
通算成績:104試合/34勝41敗/防御率3.70
「外れ1位」や「外れ外れ1位」の選手活躍が頻繁にフォーカスされるが、実は「外れ1位&競合」の2つの要素を持ち合わせた選手たちを並べてみると、なんとも評価しづらいリストになってしまう……。タイトル受賞者がいないのだ。
投手の勝ち頭は「初代・外れ1位競合」の水谷孝(阪急ほか)。高卒2年目に15勝を挙げ、大投手になるかと思われたが、ケガに泣かされて53勝止まり。現役後半は軟投派に変身し、息を吹き返した時期もあったのだが……。高い勝率と抜群の防御率の割には勝ち星が伸びなかった。
水谷が10人の中で最もタイトルに近づいた存在といってもいいだろう。
現役の4選手も才能を遺憾なく発揮できているかというと、ウーン……と唸ってしまう。
伊志嶺翔大(ロッテ)はルーキーイヤーの2011年に126試合に出場し、打率.261&32盗塁をマーク。だが、その後は精彩を欠き、今季はわずか3試合の出場に終わった。同じくロッテの高濱卓也も一皮剥けそうで剥けない日々だ。
投手では塩見貴洋(楽天)も惜しい。ルーキーイヤーの2011年に9勝を挙げ、防御率2.85の成績を残したが、その数字が勝ち星、防御率ともにキャリアハイになっており、今オフはFA移籍の岸孝之に背番号11を譲った。
岩嵜翔(ソフトバンク)は今季35試合に登板し、防御率1.95の好成績を残した。しかし、厳しく評価すれば、まだフワフワした便利屋枠。「ここだ!」という居場所の確保には至っていない。
新人王候補に挙げられる佐々木だが、このジンクスを乗り超えられるか。5球団競合が示すように「外れ1位」のなかでは「最も1位に近い外れ1位」。もう一声の現役4選手も合わせて、殻を打ち破る抜群の活躍を期待したい!
文=落合初春(おちあい・もとはる)