【2017夏の高校野球】《京都観戦ガイド》有望選手と大会展望＆地区勢力ピラミッド

2017/6/30

ブレイクしたら面白い投手が府内に点在
伸び悩み続ける岡田の目覚めの一発は!?

投手編　～藤山の復活に期待！～

【2017夏の高校野球】《京都観戦ガイド》有望選手と大会展望＆地区勢力ピラミッド

　昨夏に龍谷大平安を完封して脚光を浴びたのが藤山大地（福知山成美）。小柄ながら力強い投げっぷりが魅力で、ストレートの最速は145キロを誇る。秋に故障したものの、春には戦列に復帰。夏に完全復活した姿を見せたい。秋に故障した藤山の代わりにエースナンバーを背負ったのが中島洸希。重いストレートが武器でヒジの使い方、体の使い方次第で大化けの可能性を秘める。左のエースとして期待される相馬遥貴は身長188センチの大型左腕で、ほしいところで三振が取れるのが魅力だ。
　春に洛星からノーヒットノーランを達成した北山亘基（京都成章）は、球威のあるストレートと変化球のコンビネーションで、三振の山を築く。制球力を磨けば近畿でも指折りの好投手になれるだろう。金和修平（東山）は変化球を中心に相手を交わす技巧派だが、勝負所ではストレートで強気に押せる度胸も併せ持つ。
　侍ジャパンU-15日本代表に選ばれた経験を持つ小寺智也（龍谷大平安）は、打者の内外を攻める抜群のコントロールが持ち味。カーブ、スライダー、チェンジアップ、シュートと多彩な変化球で相手打者を翻弄する。1年生からエースとして活躍している森本詳平（京都八幡）はサイドスローから最速145キロのストレートを繰り出す。変化球も多彩で制球力も抜群。
　秋8強の原動力となった水江日々生（洛星）は中学時代に府大会優勝の経歴を持つ。夏でも好投して秋の結果がフロックではなかったことを証明したい。

野手編　～名門が誇る左右の長距離砲～

　龍谷大平安の左右の大砲に注目。入学時から左のスラッガーとして騒がれていた岡田悠希は飛距離を出せる近畿屈指のスプレーヒッター。2年春のセンバツではバックスクリーンに叩き込み、強烈な印象を残した。右の大砲として期待されるのが2年生の松田憲之朗。小学生時代にラグビーをしていた経験を生かした力強い打撃が魅力。それでいて外角のスライダーを長打にできる器用さも兼ね備えている。長距離砲として忘れてはいけないのが田中将人（東山）。ここぞという場面で立て続けに本塁打を放ち、秋制覇に貢献。夏もチームを頂点に導けるか。
　遊撃手では阿部大弥（京都翔英）に注目。守備と肩は上のレベルでも十分に通用する。打撃でも抜群のバットコントロールで安打を量産。スタンドに放り込めるパワーがつけばプロ入りも見えてくるだろう。プロのスカウトも注目している本城寛人（大谷）は広角に打ち分けられる打撃と広い守備範囲が魅力だ。
　今年の京都は捕手に好素材が揃う。昨年は一塁手で甲子園に出場した川本万葉（京都翔英）のフルスイングには一見の価値あり。投手への声掛けも素晴らしい。強肩が光るのは大友宗（鳥羽）。打っても4番で勝負強い打撃を見せており、攻守で頼りになる存在だ。1年生から正捕手の座を掴んでいる伊藤彰太（京都外大西）は正確なスローイングが光る。リード面での成長に期待したい。
　谷仁（福知山成美）はシャープなスイングの打撃が光る大型外野手。俊足を生かした外野守備にも注目だ。

大会展望　～伝統の平安が頭1つ抜け出しそう～

混戦が予想されるが、春季府大会で優勝し、岡田、松田ら強打者が揃う龍谷大平安が総合力で一歩リードか。連覇を目指す京都翔英は昨年の甲子園を経験した阿部、川本らがチームを引っ張る。秋を制した東山は金和修平、田中の投打の軸を中心に15年ぶりの甲子園出場なるか。春は不本意な結果に終わった福知山成美だが、藤山、中島、相馬の投手陣は府内でトップレベル。春にノーヒットノーランを達成した北山を擁する京都成章や総合力の高い立命館も頂点をうかがう。