2019年シーズンもプロ野球界では様々な記録が生まれ大いに盛り上がった。もちろん、2020年シーズンもたくさんの記録が生まれるだろう。とはいえ、どのような記録が達成されそうなのかがわからなければ、より気分を盛り上げていくことはできない。達成が近い記録にどのようなものがあるのかチーム、野手、投手に分けてピックアップしてみた。
チームではソフトバンクが日本シリーズ4連覇を目指すことになる。長いプロ野球の歴史において、日本シリーズを4連覇したのはV9時代の巨人だけ。ソフトバンクはリーグ優勝を果たしていない年度もあり、巨人とは同列に語れないかもしれないが、それでも偉業であることには変わりない。
巨人は現在5999勝(4291敗325分)と、節目となる6000勝まであと1勝。もちろんこれは12球団で最速となる。2位はソフトバンク(前身球団含む)の5336勝となっており、勝利数では巨人が圧倒的だ。
このオフシーズンも積極的な補強を行った楽天。昨シーズンの3位からさらに上を目指しているが、楽天はこれまで複数年連続でAクラス入りを果たしたことがない。大型補強でまずは2年連続Aクラス入りを達成したい。ソフトバンクや巨人とは規模は違うかもしれないが、NPBの一番新しい球団として新たな歴史を更新していく姿に注目したい。
野手の記録では坂本勇人(巨人)に2000安打の期待がかかる。現在、1884安打で残り116本。故障がなければ、まず間違いなく到達するはずだ。同時に史上最年少記録も更新するかもしれない。
これまでの最年少記録は榎本喜八(元ロッテほか)の31歳7カ月(31歳229日)。坂本は1988年12月14日生まれなので、7月18日までに達成すれば榎本の記録を更新することになる。今年は東京オリンピックの関係で、開幕が一週間早い。7月18日までに巨人の試合数は99試合(予定)。果たして。
バレンティンと松田宣浩のソフトバンク勢が300本塁打まであとわずかに迫っている。バレンティンは現在288本塁打。一方の松田は274本塁打。300本塁打まで30本を切っている。バレンティンは4年、松田は2年連続で30本塁打の大台をクリアしており、射程圏内といっていいだろう。
足に注目すると、糸井嘉男(阪神)が現在297盗塁で300盗塁まであと3つ。それ以上に気になるのが山田哲人(ヤクルト)だ。現在、山田は168盗塁となっており200盗塁まであと32。そして、ここまでの盗塁成功率は.875。このペースで200盗塁に到達すれば、西川遥輝(日本ハム)の成功率.866を超え歴代1位(200盗塁以上)となる。盗塁成功率100%の盗塁王を目指すと宣言しただけに成功率にも注目したい。
投手の記録では菅野智之(巨人)が通算100勝まであと「13」に迫っている。また、勝ち星だけではなく登板試合数にも記録がかかっている。現在菅野は176試合で87勝をマークしており、ドラフト制後の史上最速での100勝も手が届きそうなのである。
100勝は、松坂大輔(西武)と上原浩治(元巨人ほか)が191試合で到達したのが、現在の最速記録となっている。2020年の菅野は14戦13勝以上で更新できるだろうか。ちなみにドラフト制以前はスタルヒン(元巨人ほか)の165試合が最速記録である。
中継ぎ陣では藤川球児(阪神)とサファテ(ソフトバンク)の2人が、250セーブまであとわずか。藤川は現在日米通算243セーブ(日241、米2)、サファテは234セーブと守護神を任されれば、到達は可能な数字となっている。
藤川に関しては矢野燿大監督が、すでに守護神での起用を明言しており、早ければ4月中に記録到達の可能性がある。一方のサファテは昨シーズンの登板はなく、2018年も6試合のみ。故障がどこまで回復しているのかにかかっている。
NPBでは現役最多勝利数を誇る石川雅規(ヤクルト)は、入団初年度から続いている19年連続勝利を目指す。NPB記録は米田哲也(元阪急ほか)の22年連続勝利。石川は昨シーズンも8勝を挙げているだけに、米田の記録を抜くことも夢ではなさそうだ。
また、石川は勝利と同じく安打も1年目から積み重ねている。投手としての連続年数安打記録は三浦大輔(元横浜/現DeNA2軍監督)の24年連続。その偉業まで一歩ずつ進んでいくことに期待したい。
文=勝田聡(かつた・さとし)