シーズンのカギを握るといっても過言ではない外国人助っ人の起用法。球団別にその成否を診断していきたい。第1回は広島、DeNA編。
(成績は8月31日時点)
■広島の外国人投手
ジョンソン/ジャクソン/フランスア/カンポス/ヘルウェグ/タバーレス
■広島の外国人野手
エルドレッド/バティスタ/メヒア
ここ数年の広島における外国人選手起用の基本線は「ジョンソン+エルドレッド+リリーフ投手2人」。今季のジョンソンの復活は頼もしい。
今季はエルドレッドにブレーキがかかったが、昨季終盤に起用を重ねたバティスタがしっかりと活躍。8月終了時点で22本塁打を放っており、布石通りにハマったと言える。
リリーフ陣ではジャクソンが昨季に続き上々の出来で、さらに5月20日に育成から昇格した左腕・フランスアがセットアッパーに定着。カープアカデミー出身で3月までは練習生の立場だったが、8月には月間18登板のプロ野球タイ記録を樹立。ジャパニーズドリームをつかんだ。
4枠がクローズしており、今年も「当たり」といえる。
■DeNAの外国人投手
ウィーランド/バリオス/パットン/エスコバー
■DeNAの外国人野手
ロペス/ソト
今季はソトの大爆発に救われている。今季から加入したソトだが、推定年俸3500万円の1年契約。決して期待が高い選手ではなかった。
だが、蓋を開けてみると大当たり。79試合で打率.294、27本塁打、64打点は立派な成績。ポジションも右翼と二塁をこなし、まさに優良助っ人だ。野手はロペスも中軸たる働き。野手2人はまったく問題ない。
リリーフ陣はパットン、エスコバー。2人とも40登板オーバーで稼動はいい。
ただし、悲惨なのはチーム全体でまさかの大崩壊を起こした先発陣。新人の東克樹が10勝に迫る活躍でチームを救っているが、今永昇太、濱口遥大、石田健大が大ブレーキ。ウィーランドも4勝9敗、防御率5.18で期待通りの活躍はできていない。
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本来であれば、先発に外国人枠を使いたいところだが、ソトの活躍が嬉しい誤算と悲しい誤算を招いている。
とはいえ、4人フル稼働の体制は整っている。外国人枠の運用は及第点以上だ。
文=落合初春(おちあい・もとはる)