日米通算199勝(NPB120勝、MLB79勝)を挙げている広島の黒田博樹が、7月6日、石川県立野球場で行われた中日戦に先発。6回を投げ3失点となんとかゲームを作るも、援護がなく1対4で敗戦投手に。前回登板(6月29日)の勝利で日米通算200勝にリーチを掛けていたが、一気の達成はならなかった。
ただ、この結果を残念がっているカープファンは、もしかしたらそう多くないかのかもしれない。
というのも、今回の敗戦により、次回の黒田の登板は、予定通りならホームのマツダスタジアムで行われる13日の巨人戦が濃厚だからだ。
今季はここまで、14試合に登板し6勝4敗という成績の黒田。マツダスタジアムでの登板に限れば、8試合に登板して5勝1敗と、非常に相性がいい。
巨人戦にも4月2日に登板しており、日本復帰後初となる4安打完封の快投を見せている。大台到達へ、舞台は完全に整ったと見ていいだろう。
メジャー・リーグで5年連続10勝以上を挙げていた2014年シーズンオフ。黒田は20億円クラスの複数のオファーを蹴って、広島と4億円(+出来高)で契約した。
年俸4億円でもすごい数字なだけに、なかなか身近には感じられない。仮に一般サラリーマンレベルに置き換えてみると、仕事内容はほぼ同じなのに、年収2000万円の誘いを断って「育ててもらった恩義があるから」と、年収400万円の古巣に再就職したようなもの。
それだけに、自分の記録以上に25年ぶりの優勝へかける思いは強いはず。前半戦最後の試合で日米通算200勝を達成し、シーズン後半へ勢いをつけたいところだ。
文=藤山剣(ふじやま・けん)