1位 攝津正(ソ) 4億円 1勝 推定年俸4億円
2位 山口鉄也(巨) 320,000,000円 1勝 推定年俸3億2,000万円
3位 ポレダ(巨) 160,000,000円 1勝 推定年俸1億6,000万円
4位 森福允彦(ソ) 120,000,000円 1勝 推定年俸1億2,000万円
4位 館山昌平(ヤ) 120,000,000円 1勝 推定年俸1億2,000万円
4位 山井大介(中) 120,000,000円 1勝 推定年俸 1億2,000万円
7位 平野佳寿(オ) 100,000,000円 3勝 推定年俸3億円
8位 青山浩二(楽) 90,000,000円 1勝 推定年俸9,000万円
9位 金子千尋(オ) 83,333,333円 6勝 推定年俸5億円
10位 マイコラス(巨) 80,000,000円 3勝 推定年俸2億4,000万円
(成績は8月28日現在、1勝の値段は小数点以下四捨五入、ソ=ソフトバンク、巨=巨人、ヤ=ヤクルト、中=中日、オ=オリックス、楽=楽天)
年俸を勝利数で割って、1勝あたりの値段でランキングしたのがこちら。シンプルにデータを集計したため、勝利投手になることが少ないセットアッパーやクローザーの名前もちらほら見られるが、多くの登板数をこなし、セーブやホールドでそれなりの数字を残しているリリーバーなら、このランクインは決して悪いことではない。
となると、槍玉に上がるのは、やはり先発型の投手。ランキング1位の攝津正は、2011年から5年連続で開幕投手&2ケタ勝利。2012年には17勝を挙げ最多勝のタイトルも獲得しているチームの大看板だが、今季は5試合の登板にとどまり、その成績は1勝2敗で防御率6.84という寂しいものになっている。
8月10日には2度目の2軍落ちとなり、首位争いを繰り広げるチームにほぼ貢献できていないのが現状だ。シーズン終盤、あるいはポストシーズンでの復活があるかどうか。場数を踏んだベテランが必要になる場面がきっとあるはずだ。
巨人の外国人投手2名もランクイン。3位のポレダは、今季初登板の3月29日こそ7回無失点の好投で勝ち投手になったものの、その後は3連敗。4月30日に登録抹消となり、5月には左上腕部の違和感でアメリカに一時帰国。6月には右脇腹を痛め都内の病院で治療。さらに左肩痛も発症し、2軍でのマイペース調整が続いている。
昨年は24試合に登板し8勝8敗で防御率2.94。今季の年俸は3倍近いアップとなっていただけに、このコスパは残念な数字となってしまった。
そして、10位には同僚のマイコラス。最近は、マウンド上やベンチでのワイルドな立ち回り、そして何かにつけて美人妻と、ピッチング以外のことが話題になることも多い。
9月4日には、味方守備陣のエラーが原因で昨年の6月以来の敗戦投手となり、自身の連勝も14で途切れてしまうなど、リズムがよくない。ただ、キャンプで発症し、初登板が6月の終わりまでずれ込む原因となった右肩痛は、もう完治していると見てよさそう。昨年は13勝を挙げた実力者。ここからのコスパ改善に期待したい。
未勝利の投手は、「1勝あたり」という計算が成立しないので、ランク外とならざるを得ない。2015から2017年までの3年間で、総額12億円という大型契約を交わしている松坂大輔(ソフトバンク)もそのひとりだ。
契約2年目となる今季は、8月を終えて、まだ一度も1軍のマウンドには立てていないが、9月3日の2軍戦で、5回を投げ2安打1失点と好投。ストレートは最速146キロをマークしており、シーズン終盤の1軍登録も見えてきた。
大金を得ながらマウンドに上がることすらなければ、ファンのストレスが高まってしまうのは仕方ないところだが、松坂の年俸4億円のうち、おそらく半分程度は納税しているはず。チームには貢献できなくても、社会にはそれなりに貢献していることは、認識しておいてもいいかもしれない。
文=藤山剣(ふじやま・けん)