オープン戦も始まり、いよいよ開幕が近づいてきた。今年の注目のルーキー投手といえば、いの一番で指名された森下暢仁(広島)、奥川恭伸(ヤクルト)、佐々木朗希(ロッテ)の3人だろう。
彼らの現状から初勝利までの道のりをシミュレートしてみたい。
唯一の大卒ルーキー“純ドラ1”投手だけあって、調整は順調に進んでいる。球速はすでに150キロに到達しており、さすがの実力を見せている。
2月22日のヤクルトとのオープン戦では、3回2失点の内容だったが、軽く投げている印象もあり、結果通りに捉える必要はないだろう。
広島は開幕の20日から中日との3連戦、24日からはヤクルトとの3連戦のスケジュール。いずれもマツダスタジアムでの試合であり、開幕ローテ入りでデビューを果たすと見た。
昨季は大瀬良大地が表ローテの1番手、ジョンソンが裏ローテの1番手で起用されており、開幕2、3戦目、中日戦での先発が有力か。そうなれば、2戦目は京セラドームでの阪神戦。特に阪神は初物に弱いので、いずれにしても3月中に初白星を手にする可能性は高いと見た。
「正真正銘の10年に1人の逸材」と高い評価を受けた奥川だが、右ヒジ炎症により、新人合同自主トレ途中からノースローが続き、2月末日にようやくブルペンでの投球が解禁された。
デビューの日が待ち遠しいが、そこは高卒ルーキー。まずはしっかりとイースタン・リーグで経験を積み、1軍デビューに備えることになりそうだ。
しかし、ヤクルト投手陣の実情を考えると5月中旬から6月頃には先発の谷間に穴が空くことになりそうだ。それまでにイースタンでそこそこの結果(プラン通りに登板を重ねた上で防御率4.00前後)であれば、十分に奥川をテストする動機は生まれる。
営業的には、ホーム・神宮球場での6月2日から7日にかけての楽天、西武戦や6月23日から28日にかけての広島、巨人戦あたりがデビューにはもってこいだ。
令和の怪物・佐々木朗希は当初の想定通り、開幕に照準を合わさないスローペースで育成されている。2月末に捕手が座ってのブルペン投球を始めたばかりだ。
まずは最速163キロの出力に耐えうる体づくりが球団の育成テーマだが、もしシーズン終盤に消化試合が発生するような状況になれば、今シーズン中の顔見世もあるだろう。初勝利は来年か。
(森下暢仁の写真は明治大時代)
文=落合初春(おちあい・もとはる)