「野球芸人」4人目に登場するのは松村邦洋さん。
熱狂的なタイガースファンとして有名な松村さんに、野球に目覚めた原点とタイガース愛を存分に語ってもらいました。全5回の短期連載、第4回がスタートします。
宝の山だった1991年ドラフト下位指名
こんにちは、松村邦洋です。
今シーズンのプロ野球は、大物選手が次々と引退してしまってとても残念ですね。中でも、桧山(進次郎)さんとは親しくさせていただきました。今回は、プロ野球で親しくさせていただいている方、そして芸能界での野球仲間の話をしたいと思います。
暗黒時代からずーっと阪神一筋で頑張ってきたのが桧山さん。1999年に野村監督が就任したことで、横に座って配球をチェックし出してから三振の数が減る、アベレージも良くなる。そういう過程もずっと見てきましたからね。色んな会話の中でも、何度となく「野村さんのおかげ」と話していましたね。
今年も甲子園に行った時にいろいろと喋りましたけど、「引退発表してから成績がよくなくって」とぼやいていました。僕が「神様は最後まで試練を与えますよ」と言ったら「ホントですねぇ」としみじみ語っていたのが印象的です。
桧山さんはとにかく勉強熱心でしたよね。若手と一緒になって一所懸命練習するし、試合後も残ってスイングのチェックをしていますから。大卒で22年って、そうそうできるもんじゃないですからね。
桧山さんがドラフト指名された1991年組は、当初は「若田部健一・田口壮」の2人が騒がれていましたけど、いざフタをあけてみたら、金本(知憲)さんがカープの4位、イチローさんもオリックスの4位。桧山さんも阪神の4位でしょ。中村ノリ(中村紀洋)さんも近鉄の4位で、三浦大輔さんは6位指名ですからね。下位指名の選手にこんなに逸材が残っていたというのが凄いですよね。宝の山ですよ。1位指名選手と下位指名選手が戦ったら、そっち(下位)が勝っちゃうんじゃないかってね。
あ、石井一久さんはこの年のヤクルト1位でしたね。石井選手も引退を発表しちゃいましたが、ホント、寂しい限りですよ。
金本が変えた阪神の甘い体質
最近よくお話させていただくのは、金本さんですね。金本さんが通っていたジム「アスリート」にもよくお邪魔させていただいたんですけど、僕が行くと「鉄アレイのかわりにお前乗れ!」みたいに言われてね(笑)。アスリートの先生も「大丈夫、大丈夫! 松ちゃん、やってみようか」って。足であげるレッグプレスの重りのところに乗るんですけど、なんか、「高い高い」をされているみたいでした。
それにしても、金本さんは、本当に選手の鏡ですよね。阪神という球団は、人気チームだけにちょっと油断してしまうと誘惑に負けて横にそれてしまう選手もいるんですが、ブレることなく、あれだけ練習熱心だった人はいないですよね。
ある選手が、「金本さんが来てからトレーナー室が混まなくなった」と言っていました。金本さんが来る前は、ちょっと痛いとすぐトレーナー室、みたいだったらしいんですが、金本さんが「痛い」と言わないから、他の選手もトレーナー室に行きにくいんですよね。逆に「少しは行ってくださいよ」と言いたくなるくらい、行かなすぎな部分もあったかもしれませんけど(笑)。
そうやって、阪神の甘い体質が変わりましたよね。兄貴が、見せてくれたおかげで、阪神はAクラスの常連になりましたよね。今、金本さんの解説で聞いても阪神にもカープにも厳しいことばかり言ってますけど、それなりのことをずっとやってきたわけですからね。説得力がありますよ。
情熱が一番あるのがダンカンさん
芸能界の野球仲間とも、一緒に球場に行ったり、いろんな話をしますよ。「ますだおかだ」の増田(英彦)くんなんかとは、よく神宮球場で一緒になりますね。でも、一番親しくさせていただいているのはやっぱりダンカンさんですね。
芸能界の野球好きの中でも、情熱が一番あるのがダンカンさんじゃないでしょうか。「一体いつ寝るんだろう?」、「半沢直樹の台詞、いつ憶えてるんだろ?」と思うくらいに熱中してますから。サンスポでの連載コラムでは厳しいことも書いていますけど、一番的を射ていますよね。
以前は、「居酒屋あぶさん」によく集まって、ダンカンさんとよく呑んだりもしてましたよ。あとは千秋ちゃんも阪神ファンで、出川(哲朗)さんがヤクルトファン。直接の面識はないんですが、俳優の小西博之さんをよく球場でお見受けしますね。あとこの前、甲子園歴史館に行ったら「ついさっきまでアンジャッシュの渡部(建)くんがいたよ」って、すれ違いましたよ(笑)。