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【2017年を総ざらい! 観客動員数編】初の140万人突破! 動員数から見えてくる今季のアレコレ

【2017年を総ざらい! 観客動員数編】初の140万人突破! 動員数から見えてくる今季のアレコレ

 トータルの観客動員数が2513万9463人と、史上初めて2500万人を突破した今季のプロ野球。それでも、全球団が動員数を伸ばしたわけではない。セ・リーグは1402万4019人。前年よりも1.3%の増加で始めて1400万人を突破したのに対し、パ・リーグは1111万5444人で0.2%減だった。各球団の平均動員数も見てみよう。

■ホームゲーム平均観客動員数ランキング(前年比)
1位:阪神
4万2148人(2.8%増)

2位:巨人
4万1675人(0.1%減)

3位:ソフトバンク
3万5094人(0.1%減)

4位:広島
3万670人(2.4%増)

5位:日本ハム
2万8978人(1.0%減)

6位:中日
2万7927人(3.7%減)

7位:DeNA
2万7880人(3.5%増)

8位:ヤクルト
2万5871人(3.2%増)

9位:楽天
2万4931人(10.7%増)

10位:西武
2万3239人(2.0%増)

11位:オリックス
2万2658人(9.1%減)

12位:ロッテ
2万425人(3.7%減)

阪神と巨人、本当に動員力があるのは?


 人気もさることながら、甲子園球場と東京ドームというビッグサイズの球場を本拠地とする阪神と巨人がワンツーとなった。ただ、平均動員数では阪神が上回ったが、この数字で「阪神が巨人を超えた」と結論づけるのは早計だ。

 今季の主催試合数に照らし合わせてトータルの動員数を見ると、阪神が72試合で303万4626人、巨人が71試合で295万8890人。阪神が1試合多いので、平均動員数1試合分を引くと299万2478人となる。これでもまだ阪神のほうが3万3588人多い。

 しかし巨人は、熊本、鹿児島、栃木、岐阜、群馬、長野と、地方球場で6試合を主催。この6試合は、球場のキャパが小さいこともあって、すべて1万人台の動員だった。対する阪神は、甲子園以外での主催試合は10試合中9試合が京セラドーム大阪(岡山で1試合)。この差は小さくなかった。同じキャパ条件だったら、必ずしも阪神が上だったとは言い切れない。

 また、ペナントレースで2位に頑張った阪神が前年比2.8%増、4位に沈んだ巨人は0.1%減と、チーム成績が動員に影響を与えたことは間違いない。それでもトータル観客数はほぼ互角。巨人ファンがまだまだチームを見捨てていないことも同時に浮き彫りになった。

席が最も埋まっているのはハマスタ


 セ・リーグでは阪神以外にも、広島、DeNA、ヤクルトが前年比プラスとなっている。とくにDeNAは、最も多くの観客を集めたのがホーム開幕戦となった4月4日などの2万8966人(他に8月2日、10月1日も同数)。おそらく、これがほぼ満員の数字だろう。そして平均が2万7880人で、その差は1086人。これは12球団最少。つまり、もっとも空席が少なかったのがDeNAの横浜スタジアムなのだ。

 また、席をゲットできなかったファンは、隣接する特設ビアガーデンで、大型スクリーンによる映像と漏れ聞こえてくる歓声を体感しながら試合とビールを楽しむのも定番。チームは2年連続3位と、長かった暗黒時代を脱しつつある。それはハマスタの盛り上がりと密接にリンクしている。


東北に根づき、結果も出した楽天


 パ・リーグで大きく動員を伸ばしたのが、前年比10.7%増の楽天だ。ホームグラウンドのKoboパーク宮城は東北・仙台にあり、天然芝の青空球場。シーズン開幕当初や、終盤はまだまだ寒く、平日のデーゲームに試合をすることもある。そんな厳しい条件でありながらも多くのファンが駆けつけたのは、この地に球団が根づいたことに加えて、序盤から首位争いを繰り広げ、最後は失速しつつもAクラスに踏みとどまったことが大きい。

 ほかに、パ・リーグで前年比プラスだったのは、楽天以外には西武だけ。こちらも夏場の13連勝で一気に勢いづき、4年ぶりのクライマックスシリーズ進出を果たしたことがファンの心に火をつけたのだろう。


文=藤山剣(ふじやま・けん)

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