攻守が明確に分かれ、得点を奪い合う競技である野球。当然ながら、得点を奪うのは攻撃側だが、守備側からも奪うものもある。それは三振だ。「奪三振」と表記されるように、守備側が逆に攻撃側を攻めたてて奪った瞬間が三振でもあるのだ。
ここ最近、三振に関する記録がいくつか達成されたので、紹介していこう。
8月2日、西武プリンスドームで行われた西武対ソフトバンク。4−3とソフトバンク1点リードで迎えた9回裏、マウンドに上がったのは、鷹の守護神・サファテ。先頭の外崎をショートゴロに打ち取ると、続く秋山を空振り、脇谷を見逃しと連続三振に抑えてゲームセット。これで今季27セーブ目を挙げると同時に、5月8日から続けていた連続イニング奪三振が29に達し、プロ野球新記録を樹立した。
なお、サファテは8月5日、9日の登板でも三振を奪い、記録を伸ばしている。
7月26日、甲子園球場で行われた阪神対DeNAは、阪神が3−0で勝利。7回無失点と好投した先発のメッセンジャーに今季7勝目がついた。この試合では3回に山口俊と倉本寿彦、5回に宮崎敏郎、7回には松本啓二朗から三振を奪い、計4奪三振。日本での通算奪三振を862とし、外国人投手として歴代4位に浮上した。
ちなみに、外国人投手の歴代1位はスタルヒンの1960奪三振。現時点では、はるか先の数字ではあるが、メッセンジャーは2014年には226奪三振を記録しており、まったく届かないレベルでもない。
8月13日で34歳となる助っ人がどこまで記録を伸ばせるか注目だ。
8月7日の東京ドームで行われた巨人対広島は、延長12回までもつれる展開に。12回表、1死満塁から菊池のレフト前、丸のライト前と連続タイムリーが飛び出し2点を入れた広島が、その裏を抑えて接戦にケリをつけた。
この試合で、巨人が喫した三振は21。延長12回まで試合が行われたことで到達した数字で、NPBとしては参考記録になるが、歴史上最も三振を奪われたことになり、球団記録も更新するという不名誉なものとなった。新外国人選手のカステヤーノスが4打席4三振、坂本が3三振、阿部や小林もそれぞれ2三振と期待に応えられず、ジャイアンツファンのため息ばかりが漏れるシーンばかりとなってしまった。勝ち星こそつかなかったものの、7回を無失点に抑え、13奪三振を記録した広島のジョンソンの力投が光ったゲームだったとも言える。
巨人は8月5日、神宮球場でのヤクルト戦で、球団通算10,000試合を迎えた。そして迎えた10,002試合目にして、参考記録ながら1試合最多の奪三振を喫してしまったのだった。