7月10日〜26日(MAZDA Zoom-Zoomスタジアム広島ほか)
呉商・入澤ら逸材左腕多い広島高校球界
素材豊かな広陵と投の広島新庄が本命か
●警戒強まる呉商の左腕
関係者やスカウトの間で密かな話題となっているのが大型左腕・入澤誠吾(呉商)だ。ダイナミックに右足を大きく上げると、185センチの体がより大きく見え、滑らかな投球動作から投じられる球はバシッという鋭い音を立ててミットに吸い込まれる。今春は広島工に敗れたが、昨夏から主戦を張った経験値と伸びしろに他校の警戒も日増しに強まっている。さらに同僚のパワー系右腕・三谷育海も成長し、左の逸材を支える。
左といえば、田口麗斗(巨人)、山岡就也(國學院大)ら先輩左腕の系譜を継ぐ2年生の堀瑞輝(広島新庄)を忘れてはいけない。昨秋の広島大会で魅せたスピンの利いたストレートに加え、相手打者のバットを狂わせるスライダーにも磨きがかかり、夏のバトルモードに照準を合わせている。
春の王者・広陵は、エースナンバーを背負う肥後皓介、投げっぷりのいい2年生の福田良太らの右腕に続き、1年生左腕・平元銀次郎が台頭。低めに伸びる球筋と投球センスに注目が集まる。
今春、その広陵を最も苦しめたのが末田雅嗣(総合技術)だ。昨秋までは2番手だったが、バネを利かせた角度あるストレートとスライダーのコンビネーションで攻めまくり、強打の広陵を被安打5に抑え、観客をざわつかせた。
逸材はまだまだいる。腕の振りをサイド気味に変更した川本恭輔(尾道)、昨秋の広島新庄戦で13回1失点と好投した藤枝大地(広島国泰寺)、うなるような快速球で攻めまくる大深穣(広島新庄)、程よい荒々しさの2年生左腕・高原健大朗(崇徳)らはいずれも強靭なバネを持つ本格派。一方、ゲームメーク能力が高い技巧派左腕・若狭浩太(広島商)、春の活躍で台頭著しい右横手の川本翔太(盈進)も面白い存在で、それぞれの持ち味にも期待が高まる。