チームごとに、所属選手の総年俸から1失点あたりの金額を算出したこのランキング。ちなみに、12球団の総失点の平均は477.3点、総年俸の平均は30億6791万円となっている。このあたりを目安として見ていくとわかりやすいかもしれない。
1失点あたりの値段がもっともリーズナブルなのは中日だ。落合博満GMが年俸カットに努めた結果、総年俸は12球団一の安さに。球団側の狙いはある程度、形になっている。ただ、失点は平均よりやや高め。今シーズンも最下位争いを余儀なくされているだけに、資金の使いどころを今一度見直し、チームの課題である貧打解消に加えて、ディフェンス面の質も上げていく必要がある。
一方で、1失点あたりの値段が抜けて高いのがソフトバンクだ。総年俸が12球団ダントツのナンバーワンなだけに、チーム単位でのコスパランキングはどうしても悪くなってしまうが、総失点は12球団で2番目に少ない。さらに、9月8日現在、チーム防御率、失策数の少なさはともにリーグトップ。ハイレベルの防御力を実現している。
同じように、総年俸が高めで、このランキングも下から3番目となっている日本ハム。ただ、総失点は最少で、防御率、失策ともにソフトバンクに次ぐリーグ2位。守りの堅い両チームがパ・リーグの首位争いをしているのは、必然と言えるだろう。
ランキング3位のヤクルトは、コスパはよくても総失点が12球団最多の600失点。セ・リーグで2番目に多いDeNAとは100点近い開きがあるだけでなく、すでに昨年のシーズン総失点(518失点)を大きくオーバーしてしまっている。石川雅規、小川泰弘、成瀬善久といった実績のある先発投手陣が本来の力を出しきれず、リリーフ陣も、昨年の柱だったバーネットとロマンが抜け、オンドルセクもチーム内のゴタゴタで途中退団、その穴を埋め切れなかった。来季はピッチングスタッフの整備が急務だろう。
文=藤山剣(ふじやま・けん)