今季のDeNAは、投手陣の安定感で辛くもAクラスに留まっている。だが、阪神に対してはどうだろう。
8月29日現在、対阪神の防御率は4.34。やはりセ・リーグの対戦球団のなかでもっとも悪い。しかし内容を見ると、被安打、被本塁打はともに対阪神が一番少ない。
つまり、阪神が少ないチャンスをものにして試合を制しているといえる。
それでは、DeNAの打撃陣は阪神投手陣を攻略できていないのだろうか。
投手別の対戦成績を見ると、メッセンジャーに3敗、岩貞祐太に3敗と、この2人から6敗を喫している。
どうやら打撃陣は、苦手投手を攻略できていないようだ。
CS進出へ向けて、この両投手を打ち崩せるかが鍵となるが、ふたりと「横浜」との因縁も紹介しておきたい。
岩貞といえば、横浜商科大在籍時に神奈川大学リーグで好投し、大暴れしていた経歴を持つ。そして、記念すべきプロ初勝利はDeNAを相手に、思い出深い横浜スタジアムで飾っている。
おそらく岩貞には“YOKOHAMA愛”がある。残るDeNA戦での登板では、“YOKOHAMA”に対する優しさを期待したい。
昨季のメッセンジャーは横浜スタジアム登板では勝ち星ゼロ。球場との相性の悪さを指摘されていたが、今季は豹変した。8月25日には自らのバットでも猛打賞と貢献し、“ジエンゴ(自援護)”により勝利を収めている。
今季はDeNA戦が大好きになったに違いないが、残る直接対決ではメッセンジャーにも、わずかな優しさを期待したいものだ。
ほかには今季、2敗を喫している藤浪晋太郎も注意が必要だ。なんと藤浪は現在、DeNA戦は6連勝中。すっかり藤浪の上顧客になっている感がある。
現時点で残りの阪神との直接対決は6戦。ここでどんな成績を残せるかが、今季の順位を大きく左右する要因となりそうだ。
文=元井靖行(もとい・やすゆき)