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巻き返す広島はバティスタが鈴木誠也とタッグを! 勝負の後半戦、チームを勢いづかせるのはアイツだ!!

文=森田真悟

巻き返す広島はバティスタが鈴木誠也とタッグを! 勝負の後半戦、チームを勢いづかせるのはアイツだ!!
 いよいよ勝負の後半戦に突入したプロ野球。セ・リーグは巨人、パ・リーグはソフトバンクが抜け出し、2位以下は一時ほどの混戦ではないが、大勢が決したというにはまだ早い。

 連勝、連敗すれば順位がすぐにひっくり返る状況は、緊張感に満ちている。今回はセ・リーグの後半戦でチームに勢いをもたらすであろう選手をピックアップする。

巨人:丸佳浩


 エース・菅野智之がキャリアワーストクラスの不調でも首位を独走する巨人。セ・リーグの覇権を広島から奪い戻しそうな勢いだが、その流れを確たるものにしているのはFA組の丸佳浩だろう。

 注目度の高い巨人への移籍のプレッシャーなどなんのそので、打率3割をキープする姿は頼もしいかぎり。2番・坂本勇人、3番・丸という超攻撃的オーダーで初回から相手投手にプレッシャーをかけられることも、今季の巨人の躍進に大きく影響しているはずだ。

 丸の戦線離脱さえなければ、セ・リーグの火は消えてしまいそうだ。

DeNA


 一時は最下位に沈み、苦しいシーズンになりそうだ……と思いきや、ジワジワと調子を上げ、借金を完済。2位につけるDeNA。エース・今永昇太の復活が大きいが、ルーキー・上茶谷大河も勝ち星先行で力を見せている。

 開幕当初はなかなか思うような投球ができていなかったが、6月になるとプロの水に慣れてきたのか防御率1.32で2勝(0敗)と本領を発揮してきた。

 DeNAにとって待ち望まれた右のエース候補。今永と左右の両輪になって、まずは2位をキープしたい。

広島:バティスタ


 まさかの11連敗を喫し、貯金14の首位から借金生活に転落。セ・リーグ4連覇に黄色信号が灯るなか、勝率5割の3位まで追い上げてきた広島。巻き返しを図るチームに光りを当てるのは誰か。

 打線では鈴木誠也が開幕からほぼ4番を任され、打率.318、21本塁打と孤軍奮闘している。チームが好調のときは3番・バティスタ、4番・鈴木のクリーンアップが機能していたので、もう一度この並びの打線が見たい。

 丸の穴を埋めるのは容易ではないが、即効性を考えるとやはりバティスタに任せてみたいところ。猫の目打線からの脱却も後半戦のカギになるだろう。

阪神:近本光司


 貯金5と借金5の間をゆるやかに行き来している阪神。7月8日からの4連敗で再び借金5になり2位から陥落。現在は4位と遅れをとっているが、例年のバイオリズム的な観点から見ると、8月後半からチームの調子が上がってくるように感じる。

 とはいえ、CS進出争いをかけてDeNA、広島、阪神、中日の4チームが拮抗している状況を踏まえると、目先の勝ちにこだわりたくなるところ。そんな状況を打破すべく期待したいのが、俊足のルーキー・近本光司だ。

 打率は序盤戦でキープしていた3割台を割り2割6分前後だが、20盗塁を記録しセ・リーグの盗塁王争いを演じている。オールスターゲームでは古田敦也(元ヤクルト)以来、史上2人目のサイクルヒットを達成するなど、大舞台に強いところも見せた。阪神のスピードスターとして名を馳せた“赤星(憲広)二世”となってチームに勢いを与えたい。

中日:柳裕也


 応援歌の「お前問題」など雑音のせいでなかなか浮上の兆しが見えなかった中日だが、7月7日からの8連勝で2位タイまで順位を押し上げた。現在は5位に順位を下げているが、まだCS進出を諦める状況ではない。

 ここからのAクラス入りをかけた戦いを勝ち抜くためには、いよいよブレイクした高橋周平がこの調子で打ちまくることが必要……と思ったのもつかの間、右手小指靭帯断裂で戦線離脱の憂き目にあってしまった。

 ならば、高橋同様に今季ひと皮むけたエース候補・柳裕也のさらなる飛躍に期待したい。10勝の山口俊(巨人)を追う9勝(3敗)と最多勝利のタイトル争いを演じている柳が、山口を上回るようならチームも7年ぶりのCS進出が見えてくる。

ヤクルト


 16連敗という未曾有の局面にぶつかり、最下位に沈むヤクルト。7月はほぼ5分と粘っているだけに、CS進出争いに加わりたいところだ。

 山田哲人、青木宣親、村上宗隆、バレンティンを擁する打線は迫力満点なだけに、気になるのはやはり投手力。先発陣にはとくに奮起を促したいが、なかでも小川泰弘のここからの頑張りがチームを変えるはずだ。

 今季は3勝8敗と負けが先行しているが、ここ5試合は2勝0敗と底力を見せている。チーム浮上の兆しが見えかけているなか、前半戦の不調を払拭しすべてを出し切りたい。

セ・リーグの火はいつまで灯るか


 「球界の盟主」という冠を奪還したい巨人と、それを阻止する他球団という図式になっている今季のセ・リーグ。昨季までの状況だとここまで巨人が独走するとは考えにくかったが、あらためて勢いに乗った強者の怖さを感じる。

 巨人はかつて11.5ゲーム差を覆す“メークドラマ”を起こして、大逆転優勝を決めたことがある。あの逆転劇を思うと、2位以下のチームにもギリギリチャンスは残されている。あとはその望みを巨人が刈り取るのが先か、他球団のキーマンがチームを波に乗せるのが先かという勝負だろう。

 セ・リーグの火は燃え盛るのか消えるのか。さぁお立ち会い!

(※成績は7月25日現在)

文=森田真悟(もりた・しんご)

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