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【清宮幸太郎を追え!】安田尚憲(ロッテ)ら清宮と“ライバル物語”を紡いでいきそうな同期たち

【清宮幸太郎を追え!】安田尚憲(ロッテ)ら清宮と“ライバル物語”を紡いでいきそうな同期たち

 2月17日から沖縄キャンプへと場所を移した日本ハム1軍メンバー。清宮幸太郎は2軍へ降格することなく、帯同を続けている。合同自主トレで右手親指を痛めたもののアリゾナキャンプ終盤には打撃練習を再開。しかし、22日には急性胃腸炎で練習を切り上げ、その後は宿舎で静養となった。

 一方、清宮と高校時代からのライバルである安田尚憲(ロッテ)はラミゴ・モンキーズ(台湾)との練習試合で4番・三塁としてスタメン出場と、清宮の一歩先をいく。清宮が成長するためには、やはり安田のようなライバルの存在が不可欠。ここで、清宮のライバルになり得そうな同期の選手たちを探ってみたい。

ライバルの筆頭候補は安田!


 現時点での清宮のライバル候補筆頭は安田となるだろう。履正社高時代には「東の清宮」に対し「西の安田」と注目され、高校通算65本塁打を放った。ドラフト1位でロッテに入団してからも、変わらず注目を集めている。今季のロッテは、井口資仁監督の方針で、春季キャンプ序盤では1軍、2軍の振り分けをしていない。そのなかで、安田は井口監督の目前で大きなアピールに成功。1軍、2軍の振り分けられたキャンプ中盤以降も1軍帯同を勝ち取った。

 安田の本職は三塁だが、一塁の守備練習も行うなど起用法の幅も広がりつつある。一塁を専門とするベテランの福浦和也が故障で2軍降格したこともあり、開幕1軍だけでなくスタメン争いにも加わることになりそうだ。

 ライバル関係という点では、例えばドラフト時に「ビッグ3」などと注目を浴びていた選手たちが、プロに入ってからもライバルであり続けるケースはそう多くない。特に野手同士となると極めて稀といえる。

 過去を振り返ってみると、2007年の「高校ビッグ3」、中田翔(日本ハム)、唐川侑己(ロッテ)、佐藤由規(ヤクルト、現由規)のなかで野手は中田だけ。2004年に注目されたダルビッシュ有(カブス)、涌井秀章(ロッテ)、佐藤剛士(元広島)は、全員が投手だった。

 清原和博(元西武ほか)、松井秀喜(元ヤンキースほか)ら甲子園に名前を残したスラッガーは、高校時代からのライバルは不在といっていいだろう。清宮と安田という、高校時代にしのぎを削ったスラッガー同士がプロでも切磋琢磨することに期待したい。

プロでも清宮から三振を!


 投手では誰が清宮のライバルとなるか。早稲田実時代の対戦から考えると櫻井周斗(DeNA)だろう。2年秋(2016年)の東京都大会決勝。日大三高のマウンドに登った櫻井は清宮に対し、5打席連続三振の快投を演じている。延長戦の末、早稲田実に敗れたものの、櫻井の名前が一気に全国区へと知れ渡った試合だ。

 櫻井のドラフト指名順位は5位。7球団競合した上での1位指名・清宮に大きく及ばない。しかし、プロに入れば横一線。この春季キャンプでは2軍スタートだったものの、ハンファ・イーグルス2軍(韓国)との練習試合では2試合で計2回に登板し、無失点と好投。伝家の宝刀・スライダーで三振を奪うなど、ラミレス監督に大きくアピールした。2人はリーグが違うため対戦する機会は多くないものの、プロの世界でも清宮から三振を奪いたい。

 そのほかには中村奨成(広島)、村上宗隆(ヤクルト)、吉住晴斗選手(ソフトバンク)といったドラフト1位の選手たちもライバル候補となるだろう。高卒プロ入りということもあり、1年目から1軍の舞台でライバル対決を繰り広げるということは、難しいかもしれない。だが、これから先の未来に、彼らがプロで戦い続けるという、数十年にわたる物語を紡いでほしい。


文=勝田聡(かつた・さとし)

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