プロ野球選手にはオーラが宿る。特に生で見るとサイズ感に圧倒され、テレビで見る以上の迫力がある。そんなライブ向けのルーキーが楽天2位の岩見雅紀だ。
慶應義塾大ではリーグ戦通算21本塁打をかっ飛ばし、高橋由伸(23本/元巨人)、田淵幸一(22本/元阪神ほか)に次ぐ歴代3位の記録を作ったが、何といっても岩見の売りはその巨体だ。
公称187センチ110キロ。この時点でロッテ・井上晴哉(114キロ)に次ぐ日本人選手2位の体重。しかし、新人合同自主トレ初日に「114〜115キロある」とお正月太りを告白。井上が太っていなければ、日本人選手ナンバーワンに躍り出る。
プロ野球ファンは基本的に巨漢びいきだ。古くは香川伸行(元南海)、矢作光一(元日本ハム)、近年では中田亮二(元中日)、現役でも中村剛也、山川穂高(ともに西武)、先述の井上晴哉(ロッテ)らが、新人時代からサイズ感に期待が注がれてきた。
しかし、岩見のお正月太り報道が出るとSNSやニュースサイトのコメントは真っ二つに割れた。
「楽しみな大物だ!」「甘い、ケガするぞ」など、早くも賛否両論。コンディショニングの重要性が一般にも浸透してきた現代ならではの巨漢選手に対する反応だろう。
それでも「寮のご飯がおいしくて」とニッコリ笑うあたりが岩見の憎めないところだ。中学時代から体重100キロを切ったことがないという生粋の巨漢だ。
梨田昌孝監督も「アマダーと飛距離勝負」と期待を寄せる。慶應義塾大・大久保秀昭監督も「タイプ的に外国人選手との高いレベルの勝負になる」と語っている。
早くも焦点は助っ人との勝負になっているが、それは巨漢選手の宿命。賛否両論をぶち破り、本拠地で初の観覧車弾(三木谷浩史オーナーが100万円分の楽天ポイントを贈呈)をかっ飛ばしてほしい。
文=落合初春(おちあい・もとはる)