■2002年
125試合:打率.284(338打数96安打)/6本塁打/30打点/5盗塁
息が長い選手としては、レジェンド中のレジェンドといえるのがフリオ・フランコ。2015年、56歳になるシーズンにはBCリーグ・石川ミリオンスターズで選手兼監督を務め、なんと打率.312(77打数24安打)を記録し、ファンを驚かせた。
そんなフランコが44歳を迎えたのは2002年。準レギュラーとしてバリバリの活躍を見せていた。49歳になる年までメジャーでプレーを続け、48歳254日で本塁打を放ち、メジャー最年長記録を樹立した。
陽気なフランコだが、そのコンディショニングには定評があり、イチローと同様に努力を怠らないタイプ。レジェンドにはレジェンドたる理由がある。
(カッコ内の球団名は当時の所属チーム、以下同)
■1985年
119試合:打率.264(405打数107安打)/2本塁打/46打点/8盗塁
メジャー最多安打記録を持つピート・ローズも長寿選手のひとり。当時はレッズで選手兼監督を務め、タイ・カッブ(元タイガースほか)の持つ最多安打記録を塗り替えたのもこの年だ。打率こそそこそこだが、出塁率.395は輝かしい成績。
■1992年
65試合:打率.258(155打数40安打)/7本塁打/23打点/0盗塁
1988年に40歳にして本塁打王、打点王を獲得し、「不惑の大砲」と呼ばれた門田博光。2月に44歳になった1992年も持ち前の豪打を見せていたが、周囲には「俺は老衰」と漏らし、この年に引退した。前年は18本塁打を放ち、打数と年齢から見れば、7本塁打も上々に見える。しかし、そこはホームランにこだわり続けた男。確固たる衰えの基準がある。
■1984年
引退済み(1981年引退、最終所属チームはロッテ)
NPB記録である3085安打を放ち、イチローの安打記録とは何かと縁のある張本勲も取り上げたい。今年5月にはテレビ番組で「(イチローは)今年でやめると思いますよ」と発言し、恒例の波紋を呼んだが、44歳の年には自身はすでに引退済み。
38歳になる1978年まで打率3割台の常連だったが、1979年には打率.263、1980年には打率.261になり、ついに1981年に打率が.219まで落ち込むと41歳で引退を決めている。同じヒットメッカーの声としてはリアルな一面があることを忘れてはならないだろう。
イチローの衰えの基準はどこにあるのか、はたまた復活するのか。ここが岐路であることに違いはない。
文=落合初春(おちあい・もとはる)