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イケメンやジャーニーマンも登場!WBSCプレミア12の注目選手を見逃すな!!

 1次ラウンドも佳境に入った「WBSCプレミア12」。各チームとも決勝ラウンド進出をかけて熱戦を続けている。

 今回は各国を代表する個性派選手を、厳選して紹介しよう。


昭和プロ野球を想起させるテンポ感のホンデル・マルチネス(キューバ)を見逃すな!


 2004年のアテネ五輪以来の代表チームのベテランは、円熟期に入った今がピークの37歳。2006年のWBCではリリーフで3試合に登板したが、3回2/3で4失点と結果を残せなかった。2008年の北京五輪でも本来の先発の機会にも恵まれず、中国戦で1勝を挙げたものの、2試合の登板に終わった。それ以降は、主要大会ではお目にかからなかったが、今回代表に復帰した。

 国内リーグでは通算146勝、2005-2006年からは3季連続で2ケタ勝利、2006-2007年シーズンからは2シーズン連続で防御率1点台を記録している。

 昨シーズンは、今回も代表監督を務めるビクトル・メサ率いる名門・マタンサスに移籍し、12勝4敗と実に8季ぶり2ケタ勝利を挙げた。年齢は37歳を迎えたが、いまがピークというような円熟味を見せる。スタミナも十分で、年齢をまったく感じさせない投手だ。


 昨季のプレーオフで彼のピッチングを見たが、ストレートは威力があり、パワーピッチャーの印象を受けた。スライダーの曲がりも鋭く、大きい。その上、高速とくれば、ハマれば侍ジャパンと言えども手がつけられないだろう。

 マウンド上ではとにかく逃げない。ちぎっては投げのテンポのいいピッチングスタイルは、試合の勝敗とは別次元で見ものである。駆け引きばかりが目立つ日本の野球を観慣れているファンにとっては、野球の原点を思い起こさせてくれるようなマウンドさばきは新鮮なものに映るに違いない。

プレミア12で一番のイケメン?チャイニーズ・タイペイの大ベテラン、高志綱(ガオ・ジガン)


 実業団の名門、合作金庫時代から代表入りした台湾の顔と言っていい存在のベテラン。親日派が多く、日本の文化が浸透している台湾にあって、その甘いマスクから、ドラマ「のだめカンタービレ」では玉木宏が演じた千秋真一にちなんで「千秋王子」というニックネームを頂戴している。


 アテネ五輪での代表デビュー時からしばらくは、イエ・ジュンジャンの控えだったが、2009年の第2回WBCでは、正捕手としてマスクを被り続けた。前回WBCでは、チームトップの打率.364を残している。

 もともと線が細く、打撃も非力な印象があるが、年々バットコントロールに磨きがかかり、台湾ではプロ11シーズンで、3割を4回記録している。名門・統一セブンイレブンライオンズの司令塔として、計5度チームを優勝に導き、アジアシリーズにも4度出場している。この豊富な国際経験は今大会でも発揮されるに違いない。

 34歳という年齢を考えると、正捕手は29歳と若く、今シーズン24本塁打のリン・ホンユーが務めるだろう。しかし、経験が勝負となる試合ではガオにマスクを被らせて、リンを指名打者に回すという手も考えられる。

 地元開催とあって、この人気のベテラン選手が登場すると、あの名物と言っていい、大音響の応援がスタジアムに鳴り響くことは間違いない。

バット1本で世界を渡り歩くユレンデル・デカスター(オランダ)


 この3月に開催された日欧野球第2戦において、松葉貴大(オリックス)から左中間に豪快な一発を放ったのが、オランダ代表にも名前を連ねるユレンデル・デカスターだ。カリブ海に浮かぶ、オランダ領キュラソー出身のジャーニーマンで、プレーした国は5カ国、実に24のユニフォームに袖を通している。

 メジャーでは2006年にパイレーツの一員として3試合に出場したのみだが、メキシカンリーグを含むマイナーでは、17年で1382安打、165本塁打を記録している。それだけではなく、ウインターリーグでもプレーし、2012-2013年シーズンにはニカラグアで三冠王に輝いた。


 代表デビューは、2004年のアテネ五輪。以来、北京五輪とすべてのWBCに出場している。第2回大会ではドミニカ共和国戦でサヨナラ安打を放った。

 筆者が見たのは2013年。この年は、メキシカンリーグのモンクローバで開幕を迎え、そのシーズンが終わると、カナダの独立球団・ウィニペグでプレーしていた。しなやかなバットスイングが印象的だった。そのシーズンが終わると、今度はニカラグアへ。ジャーニーマンはかくのごとく、バット1本かついで、世界中を飛び回っている。

 36歳になる今季は、メキシコのカンペチェでスタートしたが、故障もあって、14試合でヒット12本という成績でレギュラーシーズン終了前に解雇されている。彼にとって、この大会はアジアのプロリーグ各球団に向けたデモンストレーションの場となる。このような選手のアピールは国際大会では怖い存在だ。


文=阿佐智(あさ・さとし)
1970年生まれ。世界放浪と野球観戦を生業とするライター。「週刊ベースボール」、「読む野球」、「スポーツナビ」などに寄稿。一発当てようと、現在出版のあてのない新刊を執筆中。ブログ「阿佐智のアサスポ・ワールドベースボール」(http://www.plus-blog.sportsnavi.com/gr009041)

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