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2020年オフのFA市場 野手編〜山田哲人、田中広輔、西川遥輝がFA取得。山田は争奪戦必至

文=藤山剣

2020年オフのFA市場 野手編〜山田哲人、田中広輔、西川遥輝がFA取得。山田は争奪戦必至
 例年、オフになると周辺が騒がしくなるのがFA権を取得した選手たちだ。今年は、このFA権を行使し、秋山翔吾(西武)がメジャーリーグのレッズへ、福田秀平(ソフトバンク)と美馬学(楽天)がロッテへ、鈴木大地(ロッテ)が楽天へと、それぞれ移籍した。

 他にも、権利を取得しながらも行使せず残留、また行使しての残留となった選手も数多くいた。

 さて、2020年のシーズンオフには、どんな選手がFA権を取得するのか。主だったところをピックアップしていきたい。まずは野手編だ。

ミスタートリプルスリー・山田哲人の意向やいかに!?


 野手の最大の目玉は、2020年シーズン中に国内FA資格を満たす山田哲人(ヤクルト)だ。トリプルスリーに関しては、2回達成した選手が他にいないなか、2018年には無人の野を行くがごとく3度目を達成した。昨季も打率こそ.271に終わったものの33盗塁で、本塁打も35本でリーグ4位。

 また、菊池涼介(広島)の印象が強すぎるためゴールデン・グラブ賞はまだ獲得できていないが、二塁手としても安定しており、昨季、菊池が10失策なのに対し、山田は8失策。ボールに触れる機会の多い二塁手で失策が1ケタなら合格点だ。

 このように、走攻守で申し分のない成績を残している山田が国内FA宣言すれば、争奪戦&大銭闘は必至。とくに二塁手が流動的な巨人、ソフトバンクあたりは積極的に獲得に動きそう。ちなみに、山田の年俸は4億7000万円(推定)で、今シーズンのパフォーマンス次第では、さらなる上積みも含めたレベルでの交渉となる。

 なお、メジャー挑戦という選択肢も可能性としては残る。その場合、今季オフにポスティングか、来季オフに海外FAで、という形だ。ただ、昨年末にポスティングでのメジャー移籍を目指していた同じ二塁手の菊池が、あっさりと断念し広島に残留を表明した。この一連の流れを見れば、メジャーにはこだわらないかもしれない。

スランプ脱出で田中広輔は市場価値を上げられるか


 田中広輔(広島)も、今季中にFA資格を満たす。ただ、2019年は苦難のシーズンとなった。開幕から4試合で15打数7安打とスタートダッシュに成功したかと思いきや、快音が聞かれたのはそこまで。その後は、みるみる打率が低下し、2割に届くかどうかといったレベルをうろうろする始末。6月には連続フルイニング出場も途切れ、8月には2軍落ち。そのまま右膝半月板の手術を受け、シーズンは終了となってしまった。

 現在は故障も癒え、トレーニングも再開しているということで、キャンプから元気な姿が見られそう。本来の調子に戻れば、今季もレギュラーとして起用される可能性が高い。

 昨季の不振を跳ね返すことが大前提となるが、FA宣言すればこちらも多くの球団が興味を示しそう。遊撃手が固定できていないオリックスやヤクルトは、獲得に乗り出すかもしれない。今季の田中の年俸は1億5000万円(推定)。この先の働き次第でその評価額は変わってきそうだが、2017年に35盗塁でタイトルも獲得した足も考慮すれば、決して高くはないだろう。

 2016年から2018年にかけての広島のリーグ3連覇に大きく貢献した「タナキクマル」のうち、マル(丸佳浩)は国内FA権を行使し2019年から巨人へ。キク(菊池涼介)は、前述の通りポスティングでのメジャー移籍を目指したが、結局、年末に残留を決断し、今季からの3年契約を結んでいる。はたして、タナ(田中広輔)はどういう道を選ぶのか。

現役屈指のスピードスター・西川遥輝はメジャー!?


 山田、田中と同様にタイトルクラスのスピードを秘める西川遥輝(日本ハム)も、今オフにFA資格を取得する。ただ、昨年の契約更改後の記者会見で、メジャー挑戦の希望を3年前から球団側に伝えていることを明かした。きっかけは、かつてチームメイトだった大谷翔平(エンゼルス)の活躍だったという。ただ、海外FA権の取得は、早くても2022年オフ。2020年のシーズン後となれば、ポスティングでの移籍となる。

 通算盗塁数は、現役では糸井嘉男(阪神)の297個に次ぐ245個を記録している西川。打率も、キャリアハイは2016年の.314だが、ここ3年も2割8分前後はコンスタントにマークしており、円熟味が増してきている印象。内野手よりは外野手のほうが受け入れられやすい雰囲気はあるので、今季の結果次第ではあるが、メジャーリーガー・西川遥輝誕生の可能性は十分だ。

西武の外野の主力2人は移籍なし


 他にも、島内宏明や岡島豪郎(ともに楽天)、後藤駿太(オリックス)らが今季中に国内FA権の資格を取得する。オフに何らかの動きがあるかもしれない。

 なお、主力選手の流出が毎年のように発生している西武だが、今オフも金子侑司が国内FA権を取得する見込み。ただ、昨年末に4年契約を結び、あふれるライオンズ愛を隠さなかった。また、栗山巧もFA権再取得となるものの、こちらもチームとは相思相愛。野手のこの2名は移籍することはなさそうだ。

文=藤山剣(ふじやま・けん)

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