シーズンのカギを握るといっても過言ではない外国人助っ人の起用法。球団別にその成否を診断していきたい。今回は西武とソフトバンクを取り上げる。
■西武の外国人投手
ワグナー/ヒース/カスティーヨ/マーティン/ウルフ/郭俊麟
■西武の外国人野手
メヒア
西武の外国人野手はメヒア一人。推定年俸5億円の3年契約の2年目。今季もなかなか調子が上がってこないが、野手陣は助っ人なしでも十分な戦力があり、金銭面以外に大穴は開いていない。
契約年数が議論になるが、メヒアが契約を交わした2016年オフ時点では、山川穂高も完全には覚醒しておらず、中村剛也も不調。振り返れば悪くない契約だったように思える。現時点ではメヒアの復調を待つしかないが、急遽、代わりが必要なほどの状況ではない。ベターな判断だろう。
課題はやはり投手陣。勝利の方程式の一員だったシュリッターが抜けた今季は、ワグナーにその座を託そうとしたものの調子が上がらず、ヒース、マーティンを緊急獲得することになった。結果的に2人とも上々の成績を残しており、ヒースは守護神に昇格。想像以上のリリーフ陣崩壊に先手を打った形になった。
先発ではウルフとカスティーヨが2人で130イニング超を投げている。2人とも防御率こそ4点台中盤だが、先発では貯金を作り、最低限の仕事はこなしたといえる。
ただ、増田達至や武隈祥太が不調にあえぐリリーフ陣は、さらに助っ人の手を借りたいところ。来季はメヒア+リリーフ2人+先発1人(1枠を2人)の構成がベストとなりそうだ。
■ソフトバンクの外国人投手
バンデンハーク/モイネロ/ミランダ/サファテ/スアレス
■ソフトバンクの外国人野手
デスパイネ/グラシアル
今季は助っ人に“想定外”が相次いだソフトバンク。まずはサファテ。4月に右股関節を痛めるとそのまま帰国して手術。絶対的守護神がいきなり長期離脱した。
次にデスパイネの不振も痛かった。さすがのパワーで25本塁打を放っているが、打率.236、62打点で昨季ほどの迫力はない。昨季、彗星のごとく現れたモイネロも47登板で防御率4.69。まだ22歳で伸びしろは豊かだが安定感に欠ける印象。及第点は2ケタ勝利を挙げているバンデンハークだけだ。
ただ、グラシアルは“保険”としていい働きを見せた。春は故障で出遅れたが、8月にデスパイネが右膝を痛めると出番を増やし、打線の中軸を担った。契約の問題があるのかもしれないが、早めにデスパイネを休養させる手もあったかもしれない。
7月に獲得したミランダは先発で上々の結果を残しており、なんとか外国人枠は整理されてきた。トミー・ジョン手術明けのスアレスも8月に1軍復帰し、3〜4枠目を巡る争いは激しさを増す。
しかし、全体的には平凡といえば平凡で近年のような「助っ人大活躍」の状態ではない。先手を打つのか、待って様子をみるのか、今オフはフロントの決断にも注目したい。
(成績は9月19日現在)
文=落合初春(おちあい・もとはる)