待ちに待った交流戦。パ・リーグの先発投手にとってはドキドキの季節。なぜならセ・リーグのホームでは投手も打席に立つ機会があるからだ。
期待はできないが、だからこそ盛り上がる投手の一打。今年の投手打撃成績はどうなっているのだろうか。いざチェックしてみたい。
(成績は6月6日時点)
今季、打撃絶好調といえる投手は原樹理(ヤクルト)だろう。開幕から5試合で5安打を放ち、一時は打率4割超。そこから5試合安打は止まっているが、なお打率.250(20打数5安打)。2四球も選び、出塁率.318は立派な数字だ。
あなどれないのはヤングマン(巨人)。今季は打率.250(12打数3安打)をマークしている。母数がやや少ないように思えるが、メジャー時代は実質2年で打率.244(37打数10安打)を記録しており、打撃自慢の投手の一人だ。
快投を続ける今永昇太(DeNA)は、打撃もすばらしい。もともと巧打で素質を示していたが、今季は異様に“見えている”。20打数で4安打、打率.200ながら、5犠打をマーク。そのうえ、三振はわずか4個で投手としては極めて少ない水準だ。
打撃に定評がある菅野智之(巨人)も同様。今季は8試合22打席で三振は6個。1試合で1個三振するかどうか。相手投手にとっては嫌な存在だ。
ローテの一角に定着しつつある今村信貴(巨人)も要注意。今季は打撃でも波に乗っており、8打数3安打、打率.375をマークしている。
とはいえ、6月6日時点で投手の本塁打はなし。少し寂しい状況だ。昨季は菅野智之(巨人)、藤浪晋太郎(阪神)、上原健太(日本ハム)などが1本塁打を記録したが、シーズン2本以上となると2017年のウィーランド(当時DeNA)が放った3本が突出しており、せいぜい1本が関の山。それだけプロの投球技術は高いということの証明でもある。
そんななかでバカスカ打ちまくった大谷翔平(エンゼルス)はやはり化け物……ということになるだろう。
文=落合初春(おちあい・もとはる)