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周囲のフィーバーぶりも収束! 京大初のプロ野球選手・田中英祐(ロッテ)の現在


 思い返せばちょうど1年前。昨年のキャンプ序盤、田中英祐(ロッテ)の一挙手一投足が、連日報道されていた。

 ご存じの通り、東京大学と並び「西の最高学府」と称される京都大学から初のプロ野球選手となった田中。当時は、その実力よりも話題性に重点を置いた報道が続いていたように思う。

「京大くん・田中、キャンプ1軍スタート決定」

「キャンプ中もパソコン持参で卒論作成」

 バレンタインデーには、自社製品のアピールに登場するなど、完全に話題優先で取り上げられていたと言ってもよいだろう。


高校時代はわずか1勝


 白陵高(兵庫)時代から140キロ台を超える球速を誇りながら、公式戦ではわずか1勝に終わった田中。

 京都大に進学してからは、1年春からリーグ戦で活躍。最下位が指定席の京大に在籍しながら8勝をマークするなど、そのポテンシャルが評価され、史上初の京大出身プロ野球選手が誕生した。


変化球を見極められる投球フォーム


 結果的には、プロ1年目の田中には、厳しい現実が待ち受けていた。

 昨年4月24日、鎌ケ谷スタジアムで行われた日本ハム対ロッテの2軍戦。先発が齋藤佑樹と田中英祐ということで、知る人ぞ知る注目カードとなった1戦では、田中の苦悩ぶりを目の当たりにした。

 田中は2回を投げて、5安打4失点と散々な内容。真っ直ぐを投げるか、変化球を投げるかの違いが、素人目にも一目瞭然の投球フォームで、投げた瞬間にストライクかボールか判別できるような、バラバラのリリースポイントも気になった。

 高学歴の投手といえば、クレバーな投球スタイルをイメージするだろう。しかし田中はそうではなく、140キロ台後半の速球でグイグイと押す、気迫の籠もったピッチングが持ち味だ。

 そのためには、しっかりと腕を振らなければならない。しかし昨季の田中はそれが出来ていなかった。秋季キャンプでも、フォームのバランスを崩していたというように、投球フォームに悩んだ1年目だったといえるだろう。


今春のキャンプでは復活の兆し


 しかし2年目の今春キャンプで、田中はようやく復活の兆しをみせているという。ブルペン投球をチェックした伊東勤監督に及第点をもらうなど、投球に安定感が出てきたというのだ。

 フィーバーぶりは、ようやく収束した感がある田中の2年目。あとは野球だけに専念できる環境で、どのくらい伸びるか。

 戸惑うことも少なくなかった1年目を乗り越え、プロの水に慣れつつある田中の今シーズンに期待したい。


文=野球太郎編集部

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