チームの順位に大きな影響を与える外国人選手たち。今シーズンも多くの新外国人選手が日本へ活躍の場を求めてやってきた。開幕からおよそ2カ月が経った今、彼らはどのような成績を残しているのだろうか。セ・リーグの新外国人選手たちの状況を確認したい。
セ・リーグ3連覇を達成した広島はローレンス、レグナルトと2人の投手を補強した。外国人枠の関係もあり、ここまで先発要員のローレンスは1軍登板がない。
一方のレグナルトはチームになくてはならない存在となった。ここまで中継ぎとして18試合に登板。勝ちパターンに固定されているわけではないが、防御率0.00が続いている。ハンマーカーブと呼ばれるカーブを武器とし、20回1/3回を投げ21奪三振。投球回数以上の三振を奪っているのも心強い。
(記事執筆後の5月25日、今季20試合目の登板で坂本勇人(巨人)に本塁打をゆるし、今季初の自責点を喫した)
中崎翔太が不安定という事情から、中継ぎ陣のなかで配置転換の可能性はあるかもしれない。
■広島の新外国人選手と今季の成績
レグナルト
18試合/2勝0敗1ホールド/20.1回/奪三振21/与四球13/防御率0.00
ローレンス
1軍出場なし
昨シーズン2位のヤクルトは大物外国人選手の補強をせず。加わったのはマクガフ、スアレスと2人の投手である。
マクガフは開幕から中継ぎとして機能。チーム2位タイの23試合に登板し、防御率2.25と欠かせない存在となった。なによりも特筆すべきことは、狭い神宮球場を本拠地としながら、ここまで被本塁打がゼロという点である。この記録がいつまで続くか楽しみだ。
スアレスは開幕前にコンディション不良を露呈。復帰してからは3試合で1勝1敗、防御率1.29と成績面では文句ない。しかし、3試合目の試合中に再び故障したため、登録抹消となった。先発投手の台所事情は苦しいだけに早期復帰が望まれる。
■ヤクルトの新外国人選手と今季の成績
マクガフ
23試合/2勝1敗7ホールド/28回/奪三振23/与四球9/防御率2.25
スアレス
3試合/1勝1敗/14回/奪三振10/与四球3/防御率1.29
原辰徳新監督体制となった巨人は守護神候補のクック、主砲候補のビヤヌエバを獲得した。ともにメジャーリーガーとしての実績があり、大きな期待をかけられていた。
しかし、5月23日時点で両選手ともに1軍登録されていない。クックは故障で3軍リハビリ組に合流。ビヤヌエバは不振で2軍に降格となった。
ただ、新外国人選手が1軍ベンチにいない状況でも、首位争いに加わっているチーム力には恐れ入る。シーズン中盤戦以降にこの2人が復調し、1軍に合流。戦力になるならば手がつけられなくなりそうだ。
■巨人の新外国人選手と今季の成績
クック
8試合/1敗6セーブ/8回/奪三振6/与四球1/防御率3.38
ビヤヌエバ
29試合/打率.235(98打数23安打)/5本塁打/13打点
DeNAはセ・リーグで唯一、支配下登録の外国人選手を獲得していない。結果を残したソト、ロペス、エスコバー、パットン、バリオスが残留。また、FAでの補強もなく、ほぼ既存の戦力にドラフトでの新入団選手を加えた体制でシーズンに臨んでいる。
中日は退団したガルシア(現阪神)の穴埋めとしてロメロを補強。ここまで3勝3敗、防御率2.85と結果を残している。
しかし、5月に入ってからは1勝3敗、防御率4.50と打ち込まれるケースが増えた。また、4試合中3試合が5回までの投球となっており、イニングを稼げていない。そういった影響もあり現在は登録抹消中。
チーム状況を見ると、4番のビシエド、中継ぎのマルティネス、ロドリゲスが、いずれも好成績を残している。残り1枠をアルモンテ、モヤとともに争うこととなりそうだ。
■中日の新外国人選手と今季の成績
ロメロ
7試合/3勝3敗/41回/奪三振28/与四球16/防御率2.85
矢野燿大監督が就任した阪神にはジョンソン、マルテの2人が加わった。
ジョンソンは「8回の男」に完全に定着。鋭いパワーカーブを武器に三振を量産。23回1/3回で31三振を奪い、防御率は1点を切っている。5月21日から行われたヤクルトとの3連戦では3戦連続ホールドを記録し無失点。三振も5つ奪い、本領を発揮した。
主砲候補として加わったマルテは打率が2割前半、期待されている本塁打もわずか3本。故障で出遅れたこともあり、もう少し時間がかかるかもしれない。
■阪神の新外国人選手と今季の成績
ジョンソン
23試合/2勝0敗14ホールド/23.1回/奪三振31/与四球6/防御率0.77
マルテ
19試合/打率.210(62打数13安打)/3本塁打/8打点
(成績は5月23日現在)
文=勝田聡(かつた・さとし)