お騒がせ? 大活躍の予感? キャンプこそ“助っ人”選手に要注目!! セ・リーグ編
いよいよ今週末の2月21日(土)からオープン戦が始まる。キャンプは終盤戦に差し掛かり、紅白戦や練習試合を行っているチームは多い。『週刊野球太郎』では今週も、キャンプで練習に励む「がんばる選手を応援する週刊キャンプレポート」をお送りしよう。
キャンプのこの時期こそ、注目が集まるのが各球団の新外国人選手たちだ。一体、どの程度の実力なのか、シーズンを通して活躍できるのか……など、様々な論評に晒されながら、異国の地で必死に結果を出そうとがんばっている。今回はそんな応援したくなる“助っ人”選手たちを、ランキング形式で紹介しよう。
ダニーロ・デヘスス
――広島東洋カープ
残留したエルドレッド、ロサリオ、ヒース。新しく加入したザガ―スキー、ジョンソン、グスマン、デヘスス、と7人体制の広島。恵方巻きを食べた翌日に捻挫したザガ―スキーやインフルエンザのヒース、盲腸のロサリオと続々とリタイアしてしまったが、ここにきて、育成選手のデヘススが評価を上げてきた。
デヘススは、ドミニカ共和国のカープアカデミー出身で、昨年は四国アイランドリーグplusの四国で活躍。昨秋の秋季キャンプに参加し、このオフに広島と育成選手で契約した。27歳なので今季中の支配下登録のチャンスは3月末までだが、196センチからのストレートが魅力で、スライダーやチェンジアップもキレがあるという。
すでに紅白戦で2試合に登板し、連続で失点してしまったが、打者を抑えようと意気込んでしまい「試合だとフォームがバラバラだった」と畝龍実投手コーチが指摘するように課題は明白。「ドミニカンにしては珍しく一生懸命」とカープアカデミーで見ていたコーチが語るマジメさが悪く出てしまった。試合慣れし、少し肩の力が抜ければ、いい結果がついてくるのではないだろうか。昨季もロサリオが育成選手から開幕前に支配下登録され、大いに戦力になったように、デヘススにもジャパニーズ・ドリームをつかんでほしい。
ホセ・ロペス
――横浜DeNAベイスターズ
グリエル兄弟とエレラがキューバ出身、バルディリス、モスコーソ、ロペスがベネズエラ出身と外国人選手全員が中南米出身となるDeNA。昨季からの残留であるグリエル、バルディリス、モスコーソに加え、巨人で十分実績のあるロペス、昨季はエンゼルスで20試合に登板しているエレラ、兄以上の素質があるとも言われているグリエルJr.と4人の外国人枠を争うのはレギュラーを獲得するよりも厳しい競争になりそうだ。
しかし、モスコーソとバルディリスは1カ月間、一緒に自主トレを行い、来日も仲良く同じ便で来たり、キャンプ中にはロペスとバルディリスがアーリーワークを行ったり、ライバルであるものの、同じ国の出身で同じスペイン語圏ということで和が乱れることはなさそうだ。特にロペスは巨人時代「本当にナイスガイだ」と選手や首脳陣から言われており、勝者のメンタリティーを知る選手の加入は大きい。
▲ロペス(写真は巨人在籍時)
そのロペスは出場予定がなかった練習試合に志願して出場。2打席で1安打1四球と順調に調整できており、開幕から期待できそうだ。カリビアンシリーズとキューバ国内のリーグ戦のため、グリエル兄弟の来日は遅れるが、ロペスを中心に外国人選手も団結し、昨季の3月4月は勝率.280(7勝18敗)と最悪だっただけに、今季は開幕ダッシュを決め、3位以上を目指していきたい。
ローガン・オンドルセク
――東京ヤクルトスワローズ
昨季は投手陣が崩壊したヤクルト。補強したオンドルセクは、メジャー経験も豊富な実力ある投手なだけに、中継ぎ・抑え候補の軸として期待したい。しかも、お寿司が好きで、将来的には箸でハエを掴みたいと言ったり、来日前には高倉健さん出演の『ミスター・ベースボール』を何度も見返したり、という日本通の投手でもある。これだけで応援したくなってしまう。
右手の握力が85キロで強いボールが投げられる一方で、スプリットは曲げながら落とすことができるテクニックもある。キャンプではスロースタートだったが、徐々にペースアップしてきた。実戦やオープン戦でどんな投球を見せてくれるだろうか。ちなみに、2月13日が誕生日で30歳となった。
アマウリ・リーバス
――中日ドラゴンズ
ルナ、エルナンデスという実績ある選手に加え、リーバス、バルデス、ナニータと3選手を加えた中日。ここにきてリーバスの評価が上がってきた。
すでに143キロまでスピードが出てきたことに加え、巨人で活躍したガルベスのようなクセ球と球威があるという。「真っすぐが自然に曲がる」とリーバスが語るように曲げようとするのではなく、ストレートの感覚で腕を振り、シュートしてくる。右打者の懐をえぐるボールで昨シーズン8勝16敗と大きく負け越した巨人の主軸右打者、坂本勇人や長野久義、村田修一に攻めたい。
フレデリク・セペダ
――読売ジャイアンツ
手術をしたアンダーソンは出遅れるようだが、ポレダ、マイコラスの新加入組はそれぞれの特徴を出しながら、状態を上げてきた。特にマイコラスは球威があるだけでなく、変化球のコントロールもいいとセ・リーグの他球団スコアラーは警戒をしている。
その一方で、キャンプには合流していないが、セペダとメンドーサはキューバ代表として、中南米諸国のチャンピオンチームを決めるカリビアンシリーズに出場し、キューバ代表を優勝に導いた。さらに、セペダはMVPに、メンドーサは最優秀救援投手賞に輝き、結果を出しており、心配は必要なさそうだ。
セペダは前評判高く来日したものの、打率は2割を切るという結果に終わってしまっただけに、今季にかける気持ちも強いだろう。ただ、35歳となるので、年中無休状態でプレーを続けていて、疲れてしまわないか心配だ。
ランディ・メッセンジャー
―――阪神タイガース
全選手残留で新加入外国人がいない阪神。昨季は4人ともタイトルを獲得したということで、とりわけ応援しなくても活躍するだろう。
2年連続でキャンプインに間に合わなかったゴメス。それでも昨季は大活躍だっただけに、吉兆かもしれない。沖縄に入ってから休日返上で練習をこなすマジメな選手なので、心配はいらないだろう。
日本人のベテラン勢はキャンプ初日からブルペン入りし、紅白戦で投げている投手もいるが、呉昇桓はまだブルペンのみ。それでも新変化球、シンカーのように斜めに沈むツーシームを披露し、さらに進化する姿が見られそうだ。
メッセンジャーは、ラーメンの食べ過ぎで体重がベスト時よりも相当オーバーしているようだ。それでも、打撃練習では2発スタンドに入れるなど本人はどこ吹く風の様子。藤浪晋太郎が開幕投手を狙いたい、という言葉を聞いて、メッセンジャーは「開幕投手は譲らない」と豪語している。実績ある選手であるので、大丈夫だと信じたいが……。
▲メッセンジャー
(文=編集部)
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