8年ぶりに横浜スタジアムで開催された今季のオールスターゲームでは、球団渾身の、プロ野球史上初となるオールスター体験型イベント「マツダオールスターエクスペリエンス2016 in YOKOHAMA」を仕込んでいた。
しかし、あいにくの悪天候に見舞われ、このイベントはあえなく中止。ちょっとイヤな感じがしたものの、オールスターゲームは無事開催され、筒香嘉智が活躍。気持ちのいい折り返しとなった。
7月は終わってみれば14勝10敗。念願の借金生活を脱出し、4位の阪神を5ゲーム引き離した。昨季の7月といえば交流戦での大敗もあり、9勝13敗と負けがこんでいたのだが、今季は上々だ。
また今季の7月は、夏場に強い主砲・筒香の月間本塁打数が16本。現在まで今季の総本塁打数の半分を1カ月で叩き出し、チームをけん引している。
切り込み隊長として安定感を見せる桑原将志。絶好調の主砲・筒香。高打率をキープする倉本寿彦。決定力の高い代打陣、などなど。
昨季と違い、今季のDeNAはストロングポイントが充実。ファン待望のCS進出はますます現実味を帯びてきている。
しかし、去年あったのに今年ないもの。あるいは前半戦にあったのに、今はないものがいくつかある。
前半戦は最高のチーム防御率を誇っていた投手陣に翳りがみえる。前半戦終盤から超大型ルーキー・今永昇太が離脱。後半戦戦線に復帰するも、前半戦のようなキレ味がない。また、安定感抜群だった三上朋也から山崎康晃のリレーも、何度か打ち砕かれるシーンを見るようになった。
これらの懸案に加え、アレックス・ラミレス監督の継投策が裏目に出るのも不安なところだ。
打線はこのまま好調を維持していければアップサイドをしっかり押さえることができる。しかし、8月、9月を乗り切るためには投手陣の復調、ミスのない継投が必須だ。
ただ、昨季よりいい位置につけていることは事実。選手のがんばりを信じ、このまま後半戦を乗り越えてCSを迎えよう!
文=元井靖行(もとい・やすゆき)