12種類の動物がローテーションするだけと言ってしまえばそれまでだが、やはり新年を迎えるタイミングでは、いやでも目に入るのが干支。そして、同時にクローズアップされるのが年男だ。
2016年は「申(さる)年」。プロ野球現役選手の年男は、今年24歳を迎える世代と、36歳を迎える世代が該当する。
24歳世代は、投手ではセ・パの新人王の山崎康晃(DeNA)や有原航平(日本ハム)。野手ではトリプルスリーでおなじみ、山田哲人(ヤクルト)、2014年パ・リーグ盗塁王・西川遥輝(日本ハム)といった、年齢的にも、今以上の成長が期待できる選手たちが多い。今後のプロ野球界を背負って立つ可能性を大いに感じさせる、明るい未来を予感させる世代だ。
ところが36歳世代は、完全にベテランとなった、いわゆる「松坂世代」(早生まれ組は除く)が中心メンバー。24歳世代とは対照的に、昨季の活躍も奮わず、暗い話題も多かった。
投手陣は、昨季は登板なしに終わった松坂大輔(ソフトバンク)を筆頭に、古巣の阪神に復帰する藤川球児、故障もあって結果を出せず、昨秋の契約更改で大減俸となった杉内俊哉(巨人)など、今季が正念場となる面々がズラリ。
申(さる)には、災いや病が「去る」として、縁起のいいものとする意味もある。松坂世代の選手たちを悩ませた肩やヒジの故障や、打撃不振など、よろしくないものには新年を迎えたこのタイミングで「去って」いただいて、ゴリラのようなパワーと、チンパンジーのようなクレバーさと、ニホンザルのようなチームワークで、まだまだ野球界を盛り上げてもらわなければいけない存在だ。
昨年、肩の内視鏡手術を行った松坂は順調に回復している模様で、スムーズならキャンプインまでにピッチング再開も可能な状況。大看板が復調の「のろし」を上げることができれば、同世代の選手にとって、これ以上ない刺激になるはず。
1999年に「リベンジ」という言葉を流行らせた松坂。今こそ、近年の自分にリベンジするときだろう。申年の今年こそ、スポーツ紙の一面に「松坂完全復活!」の活字が躍る日を期待したい。
文=藤山剣(ふじやま・けん)