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《夏の甲子園・ミレニアム世代》注目は根尾昂(大阪桐蔭)、野村大樹(早稲田実)、直江大輔(松商学園)

《夏の甲子園・ミレニアム世代》注目は根尾昂(大阪桐蔭)、野村大樹(早稲田実)、直江大輔(松商学園)

 来年、夏の甲子園は100周年。「第100回全国高校野球選手権大会」という節目を迎える。

 史上最多となる56校が出場することも決まり、いやが上にも注目度が高まるが、その盛り上がりに輪をかけるのが西暦2000年に生まれ、3年生として晴れ舞台に挑む「ミレニアム世代」だ。

 すでに彼らは強豪校でレギュラーを勝ち取り、ゴールデンエイジと称されている。週刊野球太郎ではこの「ミレニアム世代」にあたるスーパー2年生たちを、来年の夏に先駆けて紹介していく。

天が何物も与えた新時代の担い手


 センバツで5年ぶりに優勝し、今夏は2度目の春夏連覇を目指す大阪桐蔭。そんな平成きっての強豪校では、6人のミレニアム世代がセンバツでベンチ入りしていた。そのなかでも特に脚光を浴びているのが根尾昂だ。

 飛騨高山ボーイズ時代から最速146キロのストレートを繰り出し、ボーイズリーグのアメリカ遠征メンバーにも選ばれるなど、中学時代から素質のよさを見せつけていた根尾。

 その活躍は野球にとどまらず、全国中学校スキー大会のアルペン男子回転で優勝。学校の成績もオール5と超人ぶりを発揮するなど、「超中学級」という言葉では収まらない中学時代を歩んできた。

 その後、大阪桐蔭では1年夏から背番号を手にし、順調に成長。センバツでは投手をはじめ、遊撃、外野をマルチに守ったことから「多刀流」の異名も飛び出した。

 いずれの守備位置でも高レベルのプレーを見せることから、どんな選手に成長するのか想像できない。末は名投手か、それとも大打者か。スター候補の進化に目が釘づけだ。

目指すは世代ナンバーワンの強打者


 早稲田実で3番を務めるスーパースラッガー・清宮幸太郎(3年)。その後を受けて4番に座るのが、ミレニアム世代のスラッガー・野村大樹だ。

 U-15日本代表メンバー(5番・一塁)という実績を引っさげて早稲田実の門を叩くと、1年夏に早くもレギュラーの座を獲得。デビュー戦となった西東京大会2回戦の啓明学園戦でいきなり本塁打を放つなど、看板に偽りのない打棒を披露した。

 その後も本塁打を積み上げ、ここまで高校通算40本塁打。身長172センチと清宮と比べると上背はないが、勝負強い打撃に高校野球ファンやスカウトが熱い視線を注いでいる。

 4番・捕手として戦った今夏の西東京大会は決勝で東海大菅生に敗れ、甲子園出場を逃した。これからは最上級生として、清宮の去ったチームをリードしていくことになる。今夏の悔しさを、100周年を迎える来年の夏の甲子園で晴らしたい。


長野生まれ、長野育ちの好投手


 ミレニアム世代は投手も豊作。まずは甲子園出場を決めた選手として、直江大輔(松商学園)を挙げたい。

 最速142キロのストレートに5つの変化球を持ち、緩急をつけた投球を持ち味にする直江。しなりの効いたフォームから繰り出されるボールは切れ味バツグンで、早くからプロのスカウトをうならせてきた。

 今は183センチ73キロの痩身だが、「体ができたときにどんな投球をするのか」と期待が高まる。

 今夏の長野大会では6試合中4試合に先発。決勝の佐久長聖戦では2番手でマウンドに上がると、3回2/3を無失点に抑える好投。佐久長聖の反撃を封じ、5対4で勝利。チームを甲子園に導いた。

 ちなみに直江の父・晃さんも松商学園の投手として甲子園に出場。そのため、「父と同じユニフォームで甲子園に行くこと」が夢だったという。ただ、晃さんは春夏で3度、聖地の土を踏んでいるので、直江自身も1度の甲子園に満足せずに、残り2度のチャンスを手にしてほしい。


伝説の大会になる可能性は計り知れず


 今から17年前に生を受けたミレニアム世代の選手たち。高校野球100周年の主役を張ることになるなど、生まれた頃には想像していなかったかもしれない。

 しかし、運命に引き寄せられるように、次々と好素材が台頭。かつてないゴールデンエイジの台頭は、1世紀の長きに渡り、日本の夏を盛り上げてきた高校野球へのごほうびなのか。

 週刊野球太郎では、今後もミレニアム世代の有力選手を追っていく。どんな選手が現れるのか、乞うご期待!


文=森田真悟(もりた・しんご)

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