「タカの祭典2017」を彩るべく、カチドキレッドのピンストライプが入った「1ダホー!ストライプ2017」という特別ユニフォームを用意したソフトバンク。
このデザインは単なるストライプではなく、鷹の羽ばたきをイメージしたVの字の集合体をストライプであしらうなど、こだわりを感じさせるものとなっている。
まるで戦う前から勝利が約束されたようなこのユニフォームを、7月17日から19日の西武戦、7月21日から23日のロッテ戦、7月31日と8月14日の日本ハム戦で着用すると、ソフトバンクは6勝2敗という好成績を挙げた。
7月11、12日と楽天に連敗してオールスター休みに入ったソフトバンクだったが、後半戦開始と同時にこのユニフォームを着始めて5連勝。
楽天からあっという間に首位を奪って独走状態に入った勢いは、「1ダホー!ストライプ2017」がもたらしたのかもしれない。
オリックスは、むき出しの闘志や勝利に向けての強固な意思を表した赤いデジタルカモフラージュ柄のユニフォームを、「Bs夏の陣2017」と銘打たれた6月25日のロッテ戦、8月1日から3日のソフトバンク戦の4試合で着用。
ユニフォームを彩る赤には、いてまえ打線よろしく「闘真紅(ファイティングレッド)」という勇壮な名が与えられていた。
気になる結果はと言うと、連勝後に連敗して2勝2敗の五分。しかし、負けた2試合は、相手となったソフトバンクの先発がバンデンハークと東浜巨ということで致し方ない面もあった。
それに借金を背負うチーム状況で勝率5割なら、ともに着用して応援してくれたファンに対しても最低限の闘志は見せられたのではないだろうか。
ちなみに過去に「アースユニフォーム」という地球柄の斬新なユニフォームを作ったこともあるオリックス。それだけに、来季はどんなデザインがお目見えするのか楽しみだ。
昨季から取り入れたサンライズレッドのユニフォームを、今季も「ALL for CHIBAデー」で着用しているロッテ。千葉のなかでも球団ととくに縁深い街を「フレンドシップシティ」として、袖にロゴをあしらうなどマイナーチェンジも施されている。
「ALL for CHIBAデー」は月に1回から3回、対象日が設定されており、シーズンを通して13試合が行われる。今季は残すところ9月9日と9月28日だけとなったが、ここまでの成績は11戦5勝6敗と黒星が1つ先行。
とはいえ勝率は.347。伊東勤監督が今季限りの辞任を表明するほど低迷し続けるチーム成績からすると悪くないように感じる。
また、Tシャツやユニフォームの配布を行った試合が3試合あったが、その際は2勝1敗で勝ち越し。選手も集客のためのイベント日は意識しているのだと思わずにはいられなかった。
「ALL for CHIBAデー」は残り2試合。まだ勝ち越しを狙えるので、千葉のためにも意地を見せたい。
「濃紺・白・赤」からなる北海道旗の配色をモチーフに作られたのが、今季の日本ハムの特別ユニフォーム。
胸には北海道の頭文字の「H」に、札幌農学校(現北海道大)で教鞭を執ったクラーク博士の名言「少年よ、大志を抱け(Boys, be ambitious.)」から「AMBITIOUS」のフレーズが添えられていた。また、袖には北海道の地図を描き、道民とともに戦う意思がデザインから伝わってきた。
このユニフォームでは9戦して5勝4敗。最初の4試合で1勝3敗と借金を抱えたときは「黒歴史のユニフォーム」になってしまうかと危ぶまれたが、後半の5試合で4勝1敗と盛り返し、道民代表としてのプライドを見せた。
昨季の日本一から一転、今季は借金が20を超えるという「シンジラレナ〜イ」状況になっているが、ファンの溜飲も少し下がっただろう。
ちなみに今季、唯一、赤を基調にした特別ユニフォームがなかったのは楽天。そもそものチームカラーがクリムゾンレッドであり、「FANS'ユニフォーム」というクリムゾンレッドのサードユニフォーム的なものもある。普段から「赤使い」をしているだけに、特別ユニフォームが赤ではないのも頷ける。
今季は黒を基調にした「BLACK EAGLESユニフォーム」を作り、「BLACK EAGLES DAY」というイベント日に着用。これまで9試合を消化し、6勝3敗とチームの勢いを後押ししている。
あと1試合残っているが、対象試合の相手が2位を争う西武ということもあるので、西武ファンの筆者としては特別ユニフォームの力を西武が防げるのかも注目したい。
(成績は9月4日現在)
文=森田真悟(もりた・しんご)