ヤフオクドームで行われた9月6日のソフトバンク対楽天戦は、延長12回裏、1死一塁から打席に入った松田宣浩が、入野貴大の初球をレフトのホームランテラスへ運び、ソフトバンクがサヨナラ勝ちをおさめた。
松田のサヨナラホームランは今季3本目。1本目は4月2日のオリックス戦で、4ー4で迎えた延長10回、一死走者無しからレフトスタンドへのソロホームランだった。かつてのチームメイトの馬原孝浩にキツい一発を浴びせた。
2本目は、6月11日の阪神戦。3-3での延長11回2死一塁という場面で、安藤裕也が投じた1ボールからの2球目、128kmのスライダーをレフトスタンドへ放り込んだ。
3本とも延長に入ってからの貴重な一打。勝負どころでの粘り強さを見せ付けた格好となった。
ちなみに、歴代年間最多サヨナラホームランは、1993年にヤクルトのハウエルが記録した5本。これは、現在では12回までの延長が、当時は15回まであったことも要因と言える。
今シーズンのソフトバンクは、引き分けが4試合あり、そのうち3試合はサヨナラの可能性があるヤフオクドームでの試合だった。もし今でも延長が15回まであれば、さらに何度か打席が松田に回ったはずで、「延長サヨナラ請負人」が劇的なアーチをかけていた可能性もあっただろう。
と、タラレバで話を進めても仕方ないが、現実に目を向ければ、ソフトバンクの今季の残り試合のうち、ホームゲームは9月17日以降の8試合。サヨナラホームランは、チームが9回裏の時点で同点かリードを許している状況でないと生まれないため、さすがに記録更新は不可能に近い。しかし、12球団一の声出し番長として、ベンチでは常にテンションを上げてチームを鼓舞している松田だ。あの青天井の元気さは、何かやってのけそうな雰囲気を秘めている。
ヤフオクドームでの残り8試合、終盤にもつれるような展開になれば、松田のバットに注目だ。