すでにメディアを賑わしているドラフト9位ルーキーの佐野恵太。
下位指名ながら、キャンプを経てオープン戦の数試合で開幕1軍の座に届かんとしている。実力はもちろん、少ないチャンスを生かす強運と勝負強さも持ち合わせているようだ。
佐野が期待される役割は、G.後藤武敏や下園辰哉に続く代打。強運も味方につけて、今後も期待に応えてほしい。
長身から投げ下ろす威力のある投球でローテーション入りを期待されているクライン。しかし、オープン戦2試合ですでに13もの四死球(危険球退場も含む)を記録するなど、制球難が判明。アジャストに時間がかかりそうだ。
右打者の内角に抜ける球をしっかり制球し、シーズンで通用するレベルにまで仕上げてほしい。
一方、もう1人の助っ人投手・ウィーランドは、オープン戦初登板では5回を無失点。練習試合も合わせると計9回を無失点と評価を高めた。しかし、オープン戦2試合目の登板では4回を投げて9失点と炎上。まだ合格点を出しづらい状況だ。
何とか彼らのうちどちらかでもローテーション入りして、最低でも5勝以上を挙げてくれなければ、助っ人たる働きにはほど遠い。
昨季はルーキーながらシーズンを通して正捕手として活躍した戸柱恭孝。
今季は左脇腹の肉離れのため2軍での調整を余儀なくされているが、ラミレス監督は戸柱の開幕1軍マスクを確約するかのようなコメント。昨季も開幕前から戸柱への期待は大きく、シーズン中も高いパフォーマンスを評価されていたが、ラミレス監督の高評価に変化はないようだ。
しかし、高城俊人、嶺井博希、黒羽根利規らも一番手捕手の座を目指してしのぎを削っている。彼らには、ラミレス監督の評価を覆すほどの奮起を期待したい。
WBCでひとまわり大きくなった筒香がチームに合流すれば、本来のDeNAの真価が発揮される。それを楽しみにしつつ、残りのプレシーズン期間で、昨季以上のパフォーマンスを予見させる選手が現れてほしい。
文=元井靖行(もとい・やすゆき)