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20年前の甲子園決勝戦、星稜対帝京は2年生エースの投げ合い!《夏の甲子園全決勝戦レビュー・第76回〜第83回大会》

【この記事の読みどころ】
・2年生エース同士の投げ合いは帝京・白木に軍配
・高校球史に残る伝説のバックホーム
・松坂世代が躍動! 最強軍団・横浜が全国制覇
1994年(平成6年)
――第76回大会決勝

佐賀商|000|003|014|8
樟南 |030|001|000|4

劇的満塁弾で決着! 九州勢対決は佐賀商が制す


 決勝戦に進出したのは、福岡真一郎と田村恵のバッテリーを擁する樟南と、2年生エース・峯謙介を打線が粘り強く援護して勝ち上がってきた佐賀商。九州同士の決勝戦は、9回表に飛び出した満塁弾で試合が決まった。

 2回裏に3点を先取した樟南だったが、佐賀商が6回表に同点に追いつく。その裏、樟南は1点を勝ち越すも、8回表に佐賀商が再び同点に持ち込む。決勝戦に相応しい好ゲームとなった。

 試合を決めたのは、佐賀商の2番打者・西原正勝のひと振り。満塁本塁打で樟南を突き放した佐賀商が初の全国制覇を成し遂げた。

1995年(平成7年)
――第77回大会決勝

星稜|100|000|000|1
帝京|002|000|01X|3

帝京が6年ぶり優勝。2年生エース同士の息詰まる投手戦!


 ともに2年生エースの投げ合いとなった決勝戦。星稜の山本省吾(元近鉄ほか)は116球、帝京の白木隆之は138球。左右の2年生エースの力投に甲子園は沸いた。

 試合は初回、星稜が1点を先制。追いかける帝京は3回1死一、二塁で吉野直樹が二塁打を放ち逆転に成功。8回にもダメ押しの追加点を挙げ、試合を決めた。

 白木は内角を攻める強気の投球を続け、2回以降は7回2死まで無安打ピッチング。捕手の坂本直之ら、スタメン5人が2年生と若い力で、帝京が6年ぶり2度目の優勝を果たした。

1996年(平成8年)
――第78回大会決勝

松山商|300|000|000|03|6
熊本工|010|000|011|00|3

高校球史に残る伝説のバックホーム!


 高校野球100年の歴史にその名を刻んだ決勝戦の1つだ。延長10回裏、1死満塁の場面で奇跡は起きた。右翼手の守備固めに入った矢野勝嗣が、大飛球を本塁にダイレクト返球。三塁走者・星子崇を本塁封殺して、熊本工のサヨナラ優勝を阻止した。

 大ピンチを脱した松山商は11回裏、星加逸人のスクイズで勝ち越し。続く今井康剛もタイムリーを放ち6−3で勝利。27年ぶり5度目の優勝を果たしたのだった。

1997年(平成9年)
――第79回大会決勝

智辯和歌山|001|100|121|6
平安   |010|030|000|3

7度目の挑戦で初栄冠! ビッグマウス・川口友哉を撃破


 智辯和歌山が7度目の挑戦で、夏の甲子園初優勝を成し遂げた。和歌山県勢の優勝は、1979年の箕島以来、18年ぶりだった。

 試合は2−0と智辯和歌山リードの5回裏、平安に3点を奪われ逆転を許す。しかし、7回表に同点に追いつくと、8回表に2死から中山貴文が勝ち越しタイムリー。さらに9回表には中谷仁のタイムリーでダメ押し。大会No.1左腕と評判だった、川口友哉を攻略した。

 その川口は、「ビッグマウス」と揶揄されたこともあったが、全6試合を1人で投げ抜いた根性は見事。大会通じて合計820球の熱投は、ファンの心に鮮明に焼き付いている。

1998年(平成10年)
――第80回大会決勝

京都成章|000|000|000|0
横浜  |000|110|01X|3

最強軍団・横浜と松坂世代が躍動!


 この年の決勝戦は高校野球ファンには説明不要だろう。松坂大輔(ソフトバンク)を中心に、最強軍団・横浜が公式戦で1つも負けることなく、春夏連覇を果たした。

 準々決勝のPL学園戦では延長17回の死闘を演じ、準決勝の明徳義塾戦では奇跡の大逆転勝利をおさめて、決勝戦にコマを進めた。そして、最後は誰もが予想できなかったノーヒットノーラン! 海草中・嶋清一以来59年ぶり2人目の大記録を成し遂げた。

 松坂だけでなく、後にプロ野球界を牽引する多くの選手が躍動したこの大会は、高校野球100年の歴史のなかでも、特に印象に残る大会だったといえるだろう。


1999年(平成11年)
――第81回大会決勝

岡山理大付|100|000|000|1
桐生第一 |120|303|50X|14

左腕エース・正田樹の力投で群馬県勢初制覇!!


 4連投となった正田樹(愛媛マンダリンパイレーツ)が、岡山理大付打線を初回の1点に抑える好投。打線も14安打を放つ猛攻で相手を圧倒。決勝戦では珍しい大差で、桐生第一が群馬県勢初優勝を達成した。

 1点を追う1回裏、1番を打つ斎藤芳美の三塁打をきっかけにして、すぐさま同点に。その後、4回裏までに5点差をつけ、7回裏には2年生ながら4番を打つ大広翔治がダメ押しの2ラン。決勝戦までの5試合は打率.252と奮わなかった打線が、最後に爆発した。

2000(平成12年)
――第82回大会決勝

智辯和歌山|020|102|051|11
東海大浦安|012|021|000|6

打ちも打ったり100安打! 猛打の智辯和歌山が3年ぶり優勝


 センバツ準優勝の智辯和歌山は、夏も大暴れ。大会通算100安打、11本塁打、157塁打、打率.413と記録づくめで3年ぶり2度目の全国制覇を果たした。

 決勝戦の相手、東海大浦安もその猛打の餌食となる。1点をリードされた智辯和歌山は、8回表に5点を奪って勝負を決めた。終わってみれば3本塁打、毎回の20安打、11得点と圧倒。主将・堤野健太朗や武内晋一(ヤクルト)ら、タレント揃いのチームであった。

 敗れた東海大浦安は3連投の浜名翔が限界に。小柄な背番号4のサイドスローの投手を覚えているファンも多いだろう。

2001年(平成13年)
――第83回大会決勝

近江 |000|001|001|2
日大三|020|000|21X|5

エース・近藤一樹が力投! 近江を振り切り日大三が優勝


 21世紀最後の夏の決勝戦は日大三の初優勝で幕を閉じた。前年まで6年連続初戦敗退を喫していた滋賀県勢だが、この年は近江が大躍進! 竹内和也、島脇信也、清水信之介の3投手の継投で、決勝戦まで勝ち上がってきた。しかし、大会通算打率.427を記録するなど、猛打で勝ち上がってきた日大三に、最後は屈する形となった。

 日大三は都築克幸(元中日)、内田和也(元ヤクルト)、原島正光、?角洋大らの強打者が近江投手陣に10安打を浴びせて快勝。投げてはエース・近藤一樹(オリックス)が2失点完投で、準決勝の横浜戦に続き、1人でマウンドを守り抜いたのだった。

★★★次回は第84回〜第91回大会の決勝戦の模様をお伝えします。

(文=編集部)

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