大混戦のセ・リーグを尻目に、パ・リーグは、ソフトバンクがぶっちぎりの優勝。昨年に続く2連覇は、パ・リーグ史上最速でのゴールインでもあった。
その原動力となったのが破壊力満点の打線だ。トリプルスリーを確実にしている3番柳田悠岐を筆頭に、4番内川聖一、5番李大浩、6番松田宣浩、7番中村晃と続くパワフルなラインアップは、他球団にとっては脅威以外の何物でもないだろう。
と、すでに完成されている感のあるソフトバンク打線だが、そこにまた1枚、強力な大駒が加わった。4月以来の1軍登録となった長谷川勇也だ。
2013年の首位打者で、14年も打率3割ジャストと結果を出していた長谷川だが、オフに手術した右足首の状態が戻らず、今季は開幕から打率1割台に低迷。4月16日には1軍登録を抹消し、仕上げ直すことを決断した。
そこから9月15日の昇格までに、2軍で37試合に出場し打率.310。欠くことのできない主力選手が、5カ月もかけてじっくりファームで再調整できたのも、チームが好調だったからに他ならない。
復帰後の3試合は、9月15日が5打数2安打1打点、16日が4打数1安打1打点、そして優勝を決めた17日も2打数1安打1打点1本塁打。春先とは別人のような躍動感でゲームに参加し、きっちりと結果を出して見せた。
優勝が決まったため、ここからの残り試合は、さまざまな選手、パターンが試されるだろうが、CSでのオーダーはこうなるのではないか。
二 明石健志
左 中村晃(長谷川勇也)
中 柳田悠岐
指 内川聖一
一 李大浩
三 松田宣浩
右 長谷川勇也(中村晃)
遊 今宮健太
捕 細川亨
対戦相手は、日本ハムか西武かロッテか。いずれのチームに対しても、レギュラーシーズンでは圧倒していただけに、10月14日からのCSセカンドステージは、長谷川という強力なオプションが加わったソフトバンクが優位に進めることだろう。
文=藤山剣(ふじやま・けん)