広島高校野球界で知らぬ者はいないこの組み合わせ。如水館・迫田穆成監督と広島新庄・迫田守昭監督は兄弟。ともに広島商で監督を務めた経験があり、名伯楽の域。弟・守昭監督が広島商監督時代を含め、これまで3度の決勝対決がある最強の兄弟だ。
兄・穆成監督が78歳、弟・守昭監督が71歳。如水館が練り込まれた継投と戦術で勝ち上がれば、広島新庄も田口麗斗(巨人)や堀瑞輝(日本ハム)などの好左腕が毎年のように出現。その手腕はまさに老練だ。
昨夏の決勝でも対決した両者。如水館が最終回に粘りを見せ、1点差の手に汗握る展開になった。次なる対決が楽しみだ。
■如水館 vs 広島新庄 最近6年間の対戦成績
2016年夏
○広島新庄 5対4 如水館●(決勝)
2016年春
○如水館 6対4 広島新庄●(準々決勝)
2015年夏
○広島新庄 2対1 如水館●(準々決勝)
2014年夏
○広島新庄 9対0 如水館●(準々決勝)
2013年夏
○広島新庄 7対2 如水館●(準決勝)
2012年春
○広島新庄 2対0 如水館●(準決勝)
2011年秋
○如水館 8対6 広島新庄●(準々決勝)
2011年夏
○如水館 5対2 広島新庄●(決勝)
広島では高校野球創成期から広島の野球を引っ張ってきた両校の対決も伝統の一戦として知られる。広島商は2004年夏を最後に甲子園から遠ざかっているが、やはり“源流”だけあってファンは多い。
ライバル対決を終わらせないためにも広島商はそろそろ覇権を取り戻したい。
■広島商 vs 広陵 2008年以降の対戦成績
2010年秋
○広陵 9対2 広島商●(準々決勝)
2009年夏
○広陵 2対1 広島商●(準決勝)
2008年秋
○広陵 7対6 広島商●(3回戦)
2008年夏
○広陵 15対3 広島商●(準々決勝)
今の高知で一番のライバル対決といえば、明徳義塾と高知の戦い。参加校数が少ないとはいえ、夏の高知大会では直近10年でなんと7度も決勝がこのカードになっている。
夏の決勝に限れば明徳義塾の5連勝中だが、驚くべきはそのスコア。7試合のうち直近の6試合がすべて1点差という因縁めいた結果。熾烈な戦いはまだまだ続きそうだ。
■明徳義塾 vs 高知 最近10年間の夏の対戦成績
2015年夏
○明徳義塾 7対6 高知●(決勝)
2014年夏
○明徳義塾 6対5 高知●(決勝)
2013年夏
○明徳義塾 2対1 高知●(決勝)
2012年夏
○明徳義塾 2対1 高知●(決勝)
2011年夏
○明徳義塾 2対1 高知●(決勝)
2009年夏
○高知 3対2 明徳義塾●(決勝)
2007年夏
○高知 7対1 明徳義塾●(決勝)
2014年に鍛治舍巧監督が就任して以降、熊本野球界の勢力図を一気に書き換えた秀岳館。「ストップ・ザ・秀岳館」の期待がかかるのは、伝統ある熊本工だ。
昨夏の準々決勝では8回表に熊本工が2点差をひっくり返せば、秀岳館もその裏に2点差から追いつき、延長にもつれこむ大激戦を展開した。
まだライバル対決と呼ぶには日が浅いかもしれないが、今後の熊本の注目カードになることは間違いない。
■熊本工 vs 秀岳館 鍛治舍巧監督就後の対戦成績
2016年秋
○秀岳館 6対3 熊本工●(決勝)
2016年夏
○秀岳館 7対6 熊本工●(準々決勝)
文=落合初春(おちあい・もとはる)