昨年のドラフトでは、新潟医療福祉大の笠原祥太郎が4位指名で中日に入団。新潟の大学から初めてプロ野球選手が誕生したが、今年は新潟の佐渡島から初のプロ野球選手が誕生するかもしれない。そのドラフト候補は佐渡高のエース・菊地大稀だ。
最速145キロを誇る菊地は甲子園どころか北信越大会にも出場はない。それでも、プロのスカウトが登板日に集結するなど注目度は高い。4番を務めるなど打撃センスも高く「二刀流」として活躍した。しかし、プロでは投手一本で挑むことになりそうだ。
現時点で上位指名される可能性は低いが、185センチと上背もあり体格には恵まれている。大化けする可能性はありそうだ。ロマンのある素材型として下位・育成指名でも、佐渡初のプロ入りに期待したい。
昨夏の甲子園で優勝を遂げ、センバツにも出場した栃木の強豪・作新学院高。今夏も栃木大会を制し、7年連続13回目の出場を果たしている。その作新学院高を県大会で、苦しめたのが青藍泰斗高だ。今夏の栃木大会準決勝、両校の戦いは、作新学院高が唯一の1点差ゲームと苦しんだ試合になり、得点も最少の3点だった。
青藍泰斗高は前身の葛生高時代の1990年に夏の甲子園へ1度だけ出場したことはあるが、その時は初戦敗退。全国的には無名の高校だ。しかし、同校のエース・石川翔はスカウトの熱視線が注がれるなか、左足首のねんざを押して、評判通りの投球を見せる。敗れはしたものの栃木の絶対王者である作新学院高を苦しめた。
石川は最速151キロのトレートを武器とする本格派。スカウトは球速だけでなく、フォームの柔らかさにも注目しており「1位の12人に入る可能性もある」とコメントしている球団もあるほどだ。
石川自身も作新学院高に敗退後、プロで勝負することを明言。すでにプロ志望届を提出した。甲子園出場は果たせなかったが、プロの世界で同世代のライバルに投げ勝つことを期待したい。
今夏に行われたユニバーシアードにおいて大学日本代表投手陣の軸として活躍。金メダルに貢献した東克樹(立命館大)。今秋のドラフトではJR東日本の田嶋大樹とともに、即戦力左腕として注目されている。
最速152キロを誇るストレートを武器とし、今春のリーグ戦では自身2度目のノーヒットノーランを達成。関西学生リーグにおいて2度の達成は史上初の快挙でもあった。関東に比べ、関西のリーグはレベルが若干落ちると言われることが多い。しかし、日本代表のエースとして実績を残したことで、その実力を不安視する声を一掃した。
170センチと身長の低さが気になるところではあるが、昨年のドラフト1位・山岡泰輔(東京ガス→オリックス)も172センチと小柄。ルーキーイヤーから8勝9敗、防御率3.32とローテーション投手として奮闘している。低身長に対する評価も変わってきているのではないだろか。
立命館大の先輩でもある桜井俊貴(2015年巨人1位)に続きたい。
(成績は9月17日現在)
文=勝田聡(かつた・さとし)