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上位をまくれ! 巨人はここから追い込めるのか? 過去3年のラスト3カ月を振り返ってみる

上位をまくれ! 巨人はここから追い込めるのか? 過去3年のラスト3カ月を振り返ってみる

 開幕前の順位予想では、あれこれ言われつつも毎年上位に挙げられる巨人。今季も巨人を優勝候補に挙げる声は多かった。

 しかし、FA加入の新戦力が開幕に間に合わなかったこともあって今季前半は低迷。よくやく梅雨明けとともに上昇ムードを漂わせ、2006年以来となるBクラス転落の危機から脱しつつある。

 ただ、本当の勝負は8月以降。ここ3年の同時期の巨人はどうだったのか、振り返ってみよう。

2014年:9月に入って突き放し優勝


■2014年の8〜9月の成績
8月 13勝13敗1分
9月 16勝8敗
10月 3勝2敗
合計:32勝23敗1分 勝率.571

■2014年の7月末の順位と最終順位
7月末の順位:1位
最終順位:1位

 6月8日に首位に立ち、7月末時点で2位の阪神に3ゲーム差をつけていた2014年の巨人。8月に入り0.5ゲーム差まで迫られることが3度あり、8月末には代わって2位に浮上した広島に1ゲーム差まで詰められる場面もあったが、9月に入ってから一気に後続を引き離す。最後は2位の阪神に7ゲーム差で優勝を決めた。


2015年:最後にもうひと伸びがなく


■2015年の8〜9月の成績
8月 13勝13敗
9月 10勝8敗
10月 3勝0敗
計:26勝21敗 勝率.553

■2015年の7月末の順位と最終順位
7月末の順位:2位
最終順位:2位

 2015年のシーズンは、7月末時点で1位・阪神、2位・巨人、3位・ヤクルトが1.5ゲーム差以内で争う混戦状態で、9月半ばまでその図式は続く。そこからまず阪神が脱落し、さらに巨人も競り負けて10月2日にヤクルトの優勝が決まった。巨人は8月を勝率5割で乗り切ってはいるが、前半に4連敗、後半に5連敗を喫したのが響いた。

2016年:2位確保がやっと


■2016年の8〜9月の成績
8月 13勝12敗
9月 10勝12敗
10月 0勝1敗
計:23勝25敗 勝率.479

■2016年の7月末の順位と最終順位
7月末の順位:2位
最終順位:2位

 2016年は6月の交流戦後半からの11連勝で完全に抜け出した広島が、その後もほかを寄せつけることなく独走V。巨人も7月は14勝7敗と星を伸ばしたが、8月、9月で弾けることができず。DeNAに2ゲーム差の2位を確保するのがやっとだった。


7月末の順位が最終結果に!?


 ここ3年と今季の状況を比較すれば、近いのは2016年か。広島の現状を見れば、優勝の確率はかなり高そう。残りのペナントレースの焦点は、クライマックス・シリーズ出場へ向けて2位、3位をめぐる争いになりそうだ。

 7月の後半から8月にかけて、投打の歯車が噛み合ってきた巨人は、7月末時点で3位のDeNAに4ゲーム差の4位。ここから3位以内に食い込む可能性は十分だが、気になるのは、上記のデータを見てわかるとおり、過去3年とも7月末の順位がそのまま最終結果となっている点。もっとさかのぼれば、その傾向は2011年から続いている。

 この「ジンクス」を覆すことができるか。巨人の今後の動向に注目したい。


文=藤山剣(ふじやま・けん)

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