新型コロナの影響で高校、大学、社会人、プロなど、すべてのカテゴリの野球シーンが停滞している。本来ならば、今春見たかった2020年のドラフト候補社会人選手をあらためてチェックしたい。
名城大で愛知大学野球リーグ戦通算32勝15敗、防御率2.07の成績を残した本格派。177センチ80キロの体で最速153キロを記録。大学時代は順位縛りもあって指名漏れしたが、社会人1年目から強靭なスタミナを武器に好投を続け、強豪・トヨタの主戦級に。
都市対抗や日本選手権のみならず、アジア・ウインターリーグでも好投を見せ、一気に評価を上げた。カットボールやカーブなど、変化球の精度も増しており、即戦力と目されている。
東洋大では上茶谷大河(DeNA)、甲斐野央(ソフトバンク)、梅津晃大(中日)の陰に隠れていたが、社会人でブレイクした左腕。175センチ78キロとミドルサイズながら、縦振りのオーバーハンドで角度をつけ、150キロの数字以上の迫力を感じる力投型だ。
昨秋のアジア選手権では侍ジャパン社会人代表に選出。セットアッパーを務め、投球回5で10奪三振を記録した。
176センチ84キロ。東海大北海道では4年時に開花し、春夏のリーグ戦で9本塁打を量産した長距離砲。大学時代は全国的には無名の存在だったが、社会人ではルーキーイヤーから「攻撃型2番」の打順を手中に収め、本塁打を連発している。
特に昨夏の都市対抗では東芝・宮川哲(西武1位)から逆方向に本塁打を放つなど大活躍。5試合で打率.381を記録し、若獅子賞に輝いた。2020年ドラフトの長距離砲では頭一つ抜けた飛ばし屋。SNSでの発信にも精力的で現代的なスターの素質を兼ね備える。
富山商高時代は2014年夏の甲子園で快投を披露したが、法政大ではケガに苦しみ、左ヒジの疲労骨折による手術も経験。しかし、大学4年春に戦列に復帰すると、社会人で再び頭角を現した。186センチ86キロの恵まれた体格から最速150キロを投げ込む。
高校時代には魔球と呼ばれたスライダーが最大の武器。内外角への投球術で試合をコントロールする。
昨年も指名確実と言われていた東海地区の剛腕。179センチ81キロの体をフルに使い、最速150キロのストレートを投げ込む。数字自体は速球派の域だが、フォームに躍動感があり、伸びは一級品。
フォークやシュートも難なく操り、リリーフ適性も高そう。大卒3年目を迎え、フレッシュな存在からはそろそろ卒業。脂の乗った状態を作りたい。
文=落合初春(おちあい・もとはる)